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リスティング広告のEC費用相場と効果の出し方

最終更新:2026.06.21 / EC参謀 編集部
リスティング広告のEC費用相場と効果の出し方

「リスティング広告を始めたいけれど、いくらかければいいのか分からない」——広告予算の検討は、ここでつまずく方がとても多いところです。月いくらが相場なのか、自社で回すのと代理店に頼むのとでどう違うのか、そしてその費用は本当に売上につながるのか。この記事では、費用の仕組みから相場の考え方、効果の出し方、費用対効果の見方までを、予算を組む担当者の目線で一緒に整理していきましょう。なお相場の数字はあくまで目安で、商材や時期によって大きく変動する点は先にお伝えしておきます。

⏱ 忙しい人向け 3行まとめ

  • リスティング広告はクリック課金(表示は無料・クリックで費用発生)。予算は「目標売上」と「許容できる獲得単価」から逆算する。
  • 相場はあくまで目安で変動する。金額そのものより「いくら使っていくら売れたか」で判断するのが正しい見方。
  • 効果はキーワード選定・着地ページ・除外設定で決まる。費用対効果はCPAとROASの2つで測る。

そもそもリスティング広告の費用はどう発生するのか

予算を決める前に、まず費用がどう発生するのかを押さえておきましょう。リスティング広告(Google広告やYahoo!広告の検索連動型広告)は、表示されるだけでは費用がかからず、クリックされて初めて費用が発生する「クリック課金(CPC)」が基本です。つまり、お客さまが検索結果の広告をクリックして自分のサイトに来た回数ぶんだけ、お金がかかる仕組みです。

1クリックあたりの単価(クリック単価/CPC)は固定ではありません。同じキーワードを狙う出稿者同士の「オークション」で、入札額と広告の品質によってその都度決まります。人気のキーワードほど競合が多く、単価は上がりやすくなります。そのため、月の費用は「クリック単価 × クリック数」でおおまかに決まる、と理解しておくと予算が組みやすくなります。

クリック単価(CPC)

1クリックにかかる費用。キーワードの競合度で変わり、ジャンルによって数十円のこともあれば数百円を超えることもあります(目安・変動)。

クリック数

広告がクリックされた回数。予算が増えれば露出が増え、クリック数も増えやすくなります。

日予算・上限設定

1日に使う上限額を自分で決められます。使いすぎを防げるので、立ち上げ期は必ず設定しておきたい項目です。

大切なのは、「いくら使えるか(予算の上限)」と「1クリックにいくらまで払えるか(入札の考え方)」を分けて捉えることです。日予算を低く抑えれば月の総額はコントロールできますが、そのぶん露出も限られます。逆に単価の高いキーワードばかりを狙うと、少ない予算ではすぐ枯渇してしまいます。次の章で、その予算をどう決めるかを逆算で考えていきましょう。

予算はいくら?相場の考え方と逆算のしかた

「結局、月いくらが相場なの?」——いちばん知りたいところだと思います。ただ、正直に言えば「これが相場」と一律に言える金額はありません。商材の単価、ジャンルの競合度、狙うキーワードによって、適正な予算は大きく変わるからです。だからこそ、相場の数字を探すよりも、自分の売上目標と利益から「使える広告費」を逆算するほうが、ずっと現実的で失敗が少なくなります。

使える広告費を逆算する考え方

① 目標とする売上(または受注件数)を決める
まず「広告経由で月にいくら売りたいか」を決めます。たとえば客単価5,000円の商品を月100件売りたいなら、目標売上は50万円、というように具体的な数字に落とします。

② 1件あたりにかけられる広告費(許容CPA)を出す
1件売れたときの利益から、「1件獲得するのにいくらまで広告費を払えるか」を決めます。たとえば1件あたりの利益が2,000円で、その半分までを広告に回せるなら、1件あたり1,000円までが許容ライン、という具合です。

③ 目標件数 × 許容CPA = 月の広告予算の目安
上の例なら「100件 × 1,000円 = 月10万円」が、ひとつの目安になります。これなら、相場を探さなくても自社の数字から予算が組めます(あくまで考え方の一例で、実際は商材ごとに変動します)。

この逆算で出した金額が、いわば「自分にとっての相場」です。最初から大きく賭けず、逆算した予算の一部で小さく始めて、データを見ながら広げていくのが安全です。世の中でよく見かける「月◯万円から」という数字は、あくまで他社の事例にすぎません。自社の利益構造から導いた予算のほうが、ずっと信頼できる判断材料になります。下の表は、規模感をイメージするための一例です(金額・件数はすべて目安で、実際とは大きく異なる場合があります)。

段階月予算の目安主な目的判断の軸
テスト期少額(1日数百円〜)から反応するキーワード・商品を探るクリックの有無・CV発生
立ち上げ期逆算した予算の一部勝ち筋を見つけて広げるCPAが許容内に収まるか
拡大期逆算した予算の範囲内で増額利益を保ったまま件数を伸ばすROASが目標を上回るか

※上記はあくまで考え方を示す目安です。適正な予算は商材・ジャンル・季節要因によって変動します。

自社運用 vs 代理店:費用感の違いを比べる

予算の次に悩むのが、「自分たちで運用するか、代理店に頼むか」です。ここは費用感がはっきり変わるポイントなので、両者の違いを整理しておきましょう。大きな違いは、代理店に頼むと「広告費そのもの」に加えて「運用手数料」がかかる点です。

項目自社運用代理店に依頼
かかる費用広告費のみ広告費+運用手数料(広告費の20%前後が一般的な目安)
必要な手間・知識自分で学び、運用する時間が必要運用は任せられる(社内の負担は小さい)
立ち上がりの速さ学習しながらなので時間がかかりやすいプロのノウハウで早く軌道に乗りやすい
向いているケース予算が小さい/自分で試行錯誤したい予算がまとまっている/本業に集中したい

手数料の「20%前後」もあくまで一般的な目安で、代理店や契約内容によって変わります。最低手数料が設定されていることも多いため、広告費が小さいうちは「手数料の割合が割高に感じる」こともあります。逆に、広告費が大きくなるほど、プロの運用で無駄なクリックを減らせる効果が手数料を上回りやすくなります。

⚠ 代理店選びで気をつけたいこと

「手数料が安い」だけで選ぶのは危険です。レポートの内容・連絡の頻度・どこまで運用してくれるか(キーワード追加や除外設定、LP改善の提案まで含むか)を必ず確認しましょう。また、広告アカウントの所有権が自社にあるか(解約時に運用データを引き継げるか)も、後々もめやすいポイントです。契約前に書面で確認しておくと安心です。

判断に迷ったら、「自社の予算規模」と「割ける人の時間」の2軸で考えてみてください。予算が小さく、まず仕組みを理解したい段階なら自社運用から。予算がまとまっていて本業に集中したいなら代理店、というのがひとつの目安です。最初は自社で小さく試し、勝ち筋が見えてから代理店に拡大を任せる、という進め方もよく取られます。

効果の出し方:キーワード・LP・除外の3点

予算を決めても、出し方を誤ると費用だけが出ていきます。リスティング広告で効果を出すカギは、突き詰めると「キーワード選定」「着地ページ(LP)」「除外設定」の3点に集約されます。順番に見ていきましょう。

🤖 AIで楽にするヒント:狙うキーワードと除外語を洗い出す

「どんな言葉で狙い、どんな言葉を除外すべきか」を考えるのは時間がかかります。ここはAIに壁打ち相手になってもらいましょう。次のプロンプトをコピペして使ってみてください。

あなたはECのリスティング広告の運用担当です。 以下の商品について、 (1) 購入意欲が高い人が検索しそうな「狙うべきキーワード」を15個 (2) クリックされても買われにくい「除外すべきキーワード」を15個 それぞれ挙げて、理由も一言添えてください。

商品名:【 】 ターゲット:【 】 特徴・強み:【 】

出てきた候補を、実際の広告管理画面の「検索語句レポート(実際に検索された言葉の一覧)」と突き合わせれば、すぐに登録すべきキーワードと除外語が見えてきます。

費用対効果はどう見る?CPAとROAS

広告を出したら、「この費用は元が取れているのか?」を必ず確認します。ここで使う指標がCPAとROASの2つです。どちらも難しくありません。意味さえ押さえれば、予算を増やすべきか止めるべきかの判断ができるようになります。

指標意味計算式見方
CPA1件の成約にかかった広告費(獲得単価)広告費 ÷ 成約件数低いほど効率がよい。許容CPAを下回っているか
ROAS広告費に対して何倍の売上が立ったか広告経由の売上 ÷ 広告費 ×100(%)高いほどよい。利益が出るラインを上回っているか

たとえば広告費10万円で20件売れたなら、CPAは「10万円 ÷ 20件 = 5,000円」。その20件の売上が30万円なら、ROASは「30万円 ÷ 10万円 ×100 = 300%」です。CPAは「1件あたりの広告費」、ROASは「広告費に対する売上の倍率」と覚えると分かりやすいでしょう。

CPAとROAS、どちらを優先する?

  • CPAは「1件いくらで取れたか」を見る指標。許容CPA(前章で逆算した1件あたりの上限)を超えていないかのブレーキとして使います。
  • ROASは「広告費が何倍になって返ってきたか」を見る指標。ただしROASが高くても利益が出ているとは限らないので、原価や送料を引いた「利益ベース」で考えるのが大切です。
  • 立ち上げ期はまず「CPAが許容内か」を見て、軌道に乗ったら「ROASを保ったまま件数を増やせるか」に視点を移すと判断しやすくなります。

注意したいのは、ROASが高い=儲かっている、とは限らないことです。ROASは「売上」ベースの指標なので、原価率が高い商材ではROASが高く見えても利益はわずか、ということが起こります。最終的には「広告費を引いても利益が残っているか」で判断するのが、いちばん間違いのない見方です。

出稿開始から軌道に乗せるまでのステップ

「結局、何から手をつければいい?」という方のために、出稿開始から軌道に乗せるまでの流れを順番に並べました。期間はあくまで目安です。焦らず、上から順に進めてください。

  1. 準備:計測と予算を整える

    まずコンバージョン計測(購入を計測する設定)を入れます。これがないと費用対効果が測れません。あわせて前章の逆算で月予算を決め、日予算の上限も設定しておきます。ここが「数字で判断できる状態」の土台です。

  2. テスト出稿:少額で反応を見る

    いきなり大きく賭けず、1日数百円〜の少額で出稿します。狙うのは「購入意欲の高い具体的なキーワード」。どの語・どの商品が反応するかのデータを集める段階です。

  3. 調整:除外と寄せ込み

    検索語句レポートを見て、買われていない語を除外キーワードに登録。反応のよかったキーワードに予算を寄せます。「無駄を削って、勝ち筋に集中する」のがこの段階のコツです。

  4. 拡大:CPA・ROASを見て増額

    CPAが許容内に収まり、利益ベースでROASが合っていることを確認できたら、予算を少しずつ増やします。数字が崩れたら一度戻す。この「測って寄せる」を毎月繰り返すことで、費用対効果は安定していきます。

つまずきポイント:ありがちな失敗

EC参謀でよく見かけるのが、「計測を入れないまま出稿してしまう」ケースです。コンバージョン計測がないと、CPAもROASも出せず、「なんとなく費用を使っている」状態になります。費用対効果が見えないままでは、増やすべきか止めるべきかの判断ができません。出稿の前に、必ず計測を通しておきましょう。

もう一つは、相場の金額にとらわれて、自社の利益から逆算しないまま予算を決めてしまうパターン。他社の「月◯万円」を真似ても、商材も利益構造も違えば適正額は変わります。さらに、幅広いキーワードに薄く出して、除外設定をせず無駄なクリックを払い続けるのもよくある失敗です。焦って予算を増やす前に、「計測は入っているか」「自社の数字から逆算したか」「除外設定をしているか」の3点を、まず落ち着いて確認してください。

よくある質問

Q. 最低いくらから始められますか?

A. リスティング広告はクリック課金なので、明確な「最低金額」はなく、1日数百円といった少額からでも始められます。ただし金額が小さすぎると露出が限られ、判断に足るデータが集まりにくくなります。まずは前章の逆算で月予算の目安を出し、その一部を使って少額テストから始めるのがおすすめです。金額はあくまで目安で、商材やジャンルによって適正額は変動します。

Q. 自社運用と代理店、どちらがお得ですか?

A. 「予算規模」と「割ける時間」で変わります。広告費が小さく、自分で仕組みを理解したい段階なら、手数料のかからない自社運用が向いています。広告費がまとまっていて本業に集中したい、早く軌道に乗せたいなら、運用手数料(広告費の20%前後が一般的な目安)を払ってでも代理店に任せるほうが結果的に効率がよいことも多いです。最初は自社で小さく試し、勝ち筋が見えてから代理店に拡大を任せる、という進め方もあります。

Q. どれくらいで効果が出ますか?

A. リスティング広告は出稿したその日からアクセスが立ち上がるのが強みですが、「費用対効果が安定する」までには調整の期間が必要です。最初の数週間は、反応するキーワードを探り、無駄な語を除外し、予算を寄せていく学習の時間と捉えてください。1か月ほどデータを見ながら調整を重ねると、CPAやROASが落ち着いてくることが多いです。期間はあくまで目安で、商材や競合状況によって変わります。

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