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東京都がネット・SNS広告377件に改善指導|監視事業の結果とEC事業者にとっての意味

公開:2026.07.27 / EC参謀編集部
東京都がネット・SNS広告377件に改善指導|監視事業の結果とEC事業者にとっての意味

東京都が、ネット広告とSNS広告の表示を継続的に監視している事業の結果を公表しました。令和7年度(2025年度)はインターネット広告16,000件・SNS等広告320件を監視し、合計312事業者・377広告に対して改善指導を行ったという内容です。指摘の中心は景品表示法の優良誤認・有利誤認。ネットショップの商品ページや広告文にも直接関係する話なので、EC参謀の視点で事実と現場への意味を整理します。

⏱ 忙しい人向け 3行まとめ

  • 事実:東京都が2026年7月23日、令和7年度の広告表示監視結果を公表。インターネット広告16,000件・SNS等広告320件を監視し、312事業者・377広告に改善指導(内訳=ネット広告163事業者178広告/SNS等広告149事業者199広告)。
  • 意味:これは検挙ではなく「表示の是正を促す行政指導」。ただし監視対象はモール・自社EC・SNS投稿型の広告まで広く及ぶと考えたほうが実務的で、健康食品分野は特に指摘が多い。
  • アクション:根拠のない「No.1」表記、常時続いている「期間限定」、広告と分かりにくい投稿(ステマ)、総額が分かりにくい価格表示を自主点検する。

発表の事実:何が公表されたか

東京都が2026年7月23日に公表した「令和7年度インターネット・SNS広告表示監視事業 実施結果」によると、内容は次のとおりです。件数は公表資料のまま引用します。

  • 監視件数はインターネット広告16,000件、SNS等広告320件……東京都は景品表示法などの観点から、事業者の広告表示を計画的に監視しています。SNS等広告の監視件数は前年度の240件から320件へ増えています。
  • 改善指導はインターネット広告163事業者・178広告……不当表示のおそれがあると判断された広告について、表示の是正を求める指導が行われました。
  • SNS等広告は149事業者・199広告……ネット広告とSNS等広告を合わせると、312事業者・377広告が指導対象です。
  • 指摘の中心は優良誤認・有利誤認のおそれ……景品表示法が禁じる、品質・内容を実際より優れて見せる表示(優良誤認)と、価格や取引条件を実際より有利に見せる表示(有利誤認)が指摘の柱です。
  • 商品分野では健康食品が最多……公表資料では健康食品に関する指導が目立ち、SNS等広告では指導事例の6割超を健康食品が占めたとされています。化粧品や雑貨なども挙げられています。

公表資料では、問題となりやすい表示の例として、合理的な根拠が確認できない「No.1」などの表示、実質的にずっと続いているのに「期間限定」と見せる表示、消費者の感想を装って事業者が出す広告(いわゆるステルスマーケティング)といった類型が示されています。

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「改善指導」とは

今回の377件は、措置命令や課徴金といった処分ではなく、都が事業者に表示の是正を促す行政指導です。公表資料でも事業者名は挙げられていません。ただし、指導に応じない・悪質と判断される場合には、景品表示法に基づくより重い対応につながる可能性があります。

EC事業者にとっての意味

ここからはEC参謀としての解釈です。まず前提として、これは東京都が毎年行っている継続事業の結果公表であり、新しい規制が始まったわけではありません。とはいえ、ネットショップの運営者にとって示唆は3つあるとみられます。

①「広告」の範囲は、広告費を払ったものだけではない。景品表示法でいう表示には、商品ページの説明文、キャッチコピー、価格表示、自社SNSの投稿なども含まれ得ます。「うちは広告を出していないから関係ない」とは言えないのが実務上の理解です。監視件数のうちSNS等広告が年々増えている点も、そのまま受け取れば「SNS発信も見られている」というメッセージになります。

②指摘されやすい表現には、はっきりした型がある。根拠なしの「No.1」、実質常時の「期間限定」、比較対象が不明な二重価格、そして広告と分かりにくい投稿——これらは業種を問わず繰り返し問題になっている類型です。逆にいえば、点検すべき箇所は限られており、洗い出しは半日あれば着手できるということでもあります。

③健康食品・美容分野は特に慎重に。健康食品がSNS等広告の指導事例の6割超を占めたという結果は、この分野の表現リスクが構造的に高いことを示しているとみられます。効果・効能の断定は、景品表示法だけでなく医薬品医療機器等法(薬機法)の観点でも問題になり得るため、扱っている店は表現ルールの整備を優先したいところです。

EC参謀の見立て

この種の公表資料は「怖い話」として読むよりも、行政が実際に何を見ているかの答え合わせとして使うのが得です。指導事例の類型はそのまま自店のチェックリストになります。特に、過去に作って放置している特集ページ・LP・古いSNS投稿は、当時の表現が今のルール感覚と合っていないことが多く、優先的に見直す価値があります。

今やるべきこと

  • 「No.1」「最安」「業界初」を棚卸しする……使っているなら、いつ・どの範囲・どの調査に基づく表記かを社内で説明できるか確認する。根拠を示せないものは表現を落とす。
  • 「期間限定」「本日限り」の実態を確認する……セール表記が実質的に常時続いていないか、終了日を過ぎたバナーが残っていないかを点検する。二重価格の比較対象(通常価格)も、実際に販売していた価格かを確認する。
  • SNS投稿・インフルエンサー施策の表示を確認する……依頼して投稿してもらっている場合、広告であることが分かる表示になっているかを確認する。ステルスマーケティングは景品表示法上の不当表示として規制対象です。
  • 価格の総額表示を分かりやすくする……送料・手数料込みの総額が購入前に分かるかを、実際のスマホ画面で自分で確認する。
  • 判断に迷う表現は公式資料と専門家で確認する……グレーゾーンは自己判断で押し切らず、消費者庁・東京都の公表資料や、景表法・薬機法に詳しい専門家に相談する。

出典

※本記事は東京都の公表資料および報道に基づく速報解説です。件数・内訳の最新かつ正確な情報、および自店の表示が適正かどうかの判断は、必ず公式資料や専門家でご確認ください。