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置き配・コンビニ受取の対応方法|再配達を減らすメリットと店側の設計

公開:2026.09.13 / EC参謀 編集部
置き配・コンビニ受取の対応方法|再配達を減らすメリットと店側の設計

「不在で持ち戻りになりました」「いつ届くのか分からない」——配送まわりの問い合わせは、商品そのものの満足度とは別のところでレビューを下げる原因になりがちです。置き配やコンビニ受取は、こうした受け取れなかったを減らす手段として広がっていますが、配送会社のサービスをオンにするだけでは、店側の手間やトラブルが残ることもあります。この記事では、再配達を減らすメリット、商材ごとの向き不向き、注文画面と規約の設計、盗難・破損への備え、導入の手順までを、EC運営者の視点で順に整理します。配送会社ごとのサービスの違いはヤマト・佐川・日本郵便の使い分けで解説しているので、あわせて参考にしてください。

⏱ 忙しい人向け 3行まとめ

  • 国土交通省の調査では、2026年4月の宅配便の再配達率は約7.6%、置き配や宅配ボックスなど多様な受取方法の利用率は約31.0%でした。受け取り方を選べる環境は広がりつつあります。
  • 店側のメリットは、再配達の削減そのものより「届かない」「受け取れない」起点の問い合わせや低評価レビューを減らしやすい点にあります。
  • 導入は「商材の向き不向きを決める→注文画面で選べるようにする→規約とトラブル時の対応を決める→案内を出す」の順が現実的です。

置き配・コンビニ受取とは|ECで使われる主な受取方法

置き配は、受取人と対面せずに玄関前や宅配ボックスなど指定の場所に荷物を届ける受け取り方で、コンビニ受取は、自宅ではなく指定したコンビニ店舗で荷物を受け取る方法です。どちらも「配達の時間に在宅していなくても受け取れる」点が共通しています。

ECで使われる主な受取方法を並べると、次のようになります。どれを使えるかは、契約している配送会社・利用しているカートやモールの対応状況によって変わります。

受取方法受け取り方向いている場面の目安
対面受取(通常配達)自宅などで手渡し。時間帯指定と組み合わせる高額品、冷蔵・冷凍品、代引き
置き配玄関前・宅配ボックス・メーターボックスなど指定場所に配達日用品、衣料品、書籍など破損・盗難時の影響が小さい商品
宅配ボックス集合住宅や戸建ての宅配ボックスに投函サイズが収まる常温品
コンビニ受取指定したコンビニ店舗で、通知を受けてから受け取る在宅時間が読みにくい単身者・家族に知られたくない購入
営業所・宅配ロッカー受取配送会社の営業所や駅などのロッカーで受け取るコンビニ受取と同様。サイズ上限に注意

このうち置き配は、配送会社のアプリや会員サービスで受取人が自分で設定するケースも多く、店側が何もしなくても置き配になっている注文が一定数含まれている点に注意が必要です。店側が「うちは置き配を使っていない」と考えていても、トラブル時の対応方針だけは決めておいたほうが安心です。

再配達を減らすメリット|店側に効くのは問い合わせとレビュー

置き配・コンビニ受取を整えるメリットは、配送の効率化だけでなく、「受け取れない」ことに起因する問い合わせ・キャンセル・低評価レビューを減らしやすくなる点にあります。

国土交通省が2026年7月に公表した調査では、2026年4月の宅配便の再配達率は約7.6%(前回の2025年10月調査から0.7ポイント減)、宅配ボックスや置き配などの多様な受取方法の利用率は約31.0%(同1.1ポイント増)でした。国の総合物流施策大綱では、多様な受取方法の利用率を2030年度までに50%程度へ高める目標が位置づけられています。受け取り方を選べることは、購入者にとって「当たり前」に近づいていくとみられます。

① 配送起点の問い合わせが減りやすい

「不在票が入っていた」「持ち戻りになった」「受け取れる日が合わない」といった連絡は、1件ごとの対応時間が長くなりがちです。受け取り方の選択肢があると、購入者側で解決できる割合が上がります。

② 配送が理由の低評価を避けやすい

商品に満足していても、受け取りでストレスを感じると評価が下がることがあります。特にモールでは、配送体験がレビューや店舗評価に反映されやすい傾向があります。

③ 長期不在による返送を減らせる

保管期限切れで店に戻ってくる荷物は、往復の送料と再発送の手間がかかります。コンビニ受取や置き配は、この「戻り」を減らす手段になります。

④ 購入時の心理的なハードルが下がる

「受け取れるか分からないから今は買わない」という先送りを減らせる可能性があります。カート画面で受け取り方が見えることは、購入の後押しにもなり得ます。

一方で、置き配には盗難・雨濡れ・誤配達などのリスクを誰がどう扱うかという課題が残ります。メリットだけを見て導入すると、トラブル時に店と購入者の認識がずれることがあるため、次の章以降で「向き不向き」と「ルールづくり」をセットで考えます。

商材別の向き不向き|置き配にしない商品を先に決める

置き配・コンビニ受取を導入するときは、「どの商品で使うか」より先に「どの商品では使わないか」を決めておくと、トラブルを避けやすくなります。

置き配と相性がよい商品の目安

  • 日用品・消耗品・定期購入品
  • 衣料品・雑貨など、多少の雨でも梱包で守れるもの
  • 書籍・メディア類(防水梱包が前提)
  • 単価が比較的低く、万一の再発送が負担になりにくいもの

置き配を避けたほうがよい商品の目安

  • 冷蔵・冷凍品、生鮮品など温度管理が必要なもの
  • 高額品・換金性の高いもの(ブランド品・家電・ギフト券など)
  • お酒など、受け取り時の年齢確認が必要なもの
  • 代金引換の注文、ギフトで受取人と購入者が異なる注文

コンビニ受取は置き配より盗難リスクが小さい一方で、サイズ・重量の上限、温度帯、代引きの可否に制約があるのが一般的です。上限は配送会社やコンビニチェーンによって異なるため、自店の主力商品の梱包サイズで利用できるかを事前に確認しておきます。大型商品や冷蔵品が中心の店では、置き配・コンビニ受取よりも「時間帯指定の選択肢を増やす」「発送連絡を早く出す」ほうが効果が出やすいこともあります。

ここがポイント

商品ごとに「置き配可/不可」を決めたら、商品ページとカート画面の両方に表示します。購入者が注文後に配送会社のアプリで置き配を設定してしまうケースもあるため、「置き配不可の商品は対面でのお受け取りをお願いしています」と明記しておくと、トラブル時の説明がしやすくなります。

注文画面と規約の設計|購入者が「選べる」「分かる」状態にする

置き配・コンビニ受取を機能させるうえで大切なのは、購入者が注文時に受け取り方を選べて、選んだ場合のルールが事前に分かる状態をつくることです。

注文画面(カート)で整えること。利用しているカートやモールの設定で、受取方法の選択肢(通常配達・置き配・コンビニ受取など)を出せるかを確認します。選択肢を出せない場合でも、備考欄に「置き配を希望する場合は置き場所を記入してください」と案内する方法があります。ただし備考欄は見落としが起きやすいため、受注処理のチェック項目に「備考の置き配指示の確認」を加えておくと安心です。

規約・ご利用ガイドに書くこと。置き配を選んだ注文で配達完了後に紛失・破損が起きた場合の扱いは、店・購入者・配送会社の間で認識がずれやすい部分です。規約やご利用ガイドには、少なくとも次の項目を書いておくのが目安です。

配達完了後の紛失・盗難の責任をどう定めるかは、配送会社の約款や利用規約、消費者との契約内容によって判断が変わります。規約の文面を決めるときは、最新の約款や法令は配送会社の公式情報・専門家で確認したうえで、自店の返品・交換ルールと矛盾がないかを見直してください。返品規約の書き方はECの返品・交換対応の設計で整理しています。

国の制度の動向について

国土交通省は、再配達の削減に向けて置き配やコンビニ受取などの多様な受取方法の活用を呼びかけており、置き配を宅配便の標準的な受取方法として位置づける方向の見直しも報じられています(報道による)。制度や約款の内容は変わる可能性があるため、規約を作る際は国土交通省や配送会社の最新の公表資料を確認してください。

盗難・破損・誤配達への備え|起きたときの対応を先に決める

置き配のトラブルは件数としては多くないことが一般的ですが、起きたときに店の対応がぶれると、購入者の不満が大きくなりやすいため、対応の手順を先に決めておくのが現実的です。

STEP1|状況を確認する

注文番号・配送伝票番号・配達完了の日時と置き場所(配送会社の配達記録や置き配の写真が確認できる場合はそれも)を確認します。「届いていない」の連絡でも、実際には別の場所に置かれていたり、家族が受け取っていたりするケースがあります。

STEP2|配送会社に調査を依頼する

配達記録と実際の状況が合わない場合は、配送会社に調査を依頼します。購入者に問い合わせてもらうのか、店から依頼するのかを事前に決めておくと、たらい回しの印象を与えにくくなります。

STEP3|店としての対応を判断する

規約で決めた範囲に沿って、再発送・返金・配送会社の補償手続きの案内などを判断します。高額品や繰り返しの申告など、判断が難しいケースは責任者に上げるルールにします。

STEP4|記録して再発防止につなげる

トラブルの内容・対応・かかった費用を記録し、特定の地域・商品・置き場所で繰り返していないかを月1回程度見直します。偏りがあれば、その条件での置き配を対象外にするなどの見直しを検討します。

破損や雨濡れについては、梱包の段階で防げる部分もあります。置き配になる可能性がある商品は、防水性のある袋や外装を使う、箱の中で商品が動かないよう緩衝材を入れる、といった対策が目安です。梱包を強化するとコストが上がるため、置き配の比率やトラブル件数を見ながら、どの商品に手厚くするかを決めていきます。

導入と運用の手順|小さく始めて数字で見直す

置き配・コンビニ受取の導入は、対応できる配送会社とカートの設定を確認し、対象商品と規約を決めてから、購入者への案内までを一度に整えるのが基本の流れです。

① 現状を把握
契約中の配送会社・カートで使える受取方法と、直近の不在持ち戻り・長期不在返送・配送起点の問い合わせ件数を確認
② 対象商品を決める
置き配可/不可、コンビニ受取のサイズ上限に収まるかを商品ごとに整理
③ 画面と規約を整える
カートの選択肢・商品ページ表示・ご利用ガイドとトラブル時の手順を用意
④ 案内して効果を見る
発送連絡メールで受取方法の変更方法を案内し、1〜3か月後に件数を比較

効果の確認では、配送会社の再配達率ではなく、店で把握できる数字を追うのが実用的です。たとえば「不在による持ち戻りの連絡件数」「長期不在で返送された件数」「配送に関する問い合わせ件数」「配送に触れた低評価レビューの件数」などです。導入前の1〜3か月と比べて減っていれば、案内の文面や対象商品を広げていく判断材料になります。

発送連絡のタイミングも効果に影響します。発送当日に伝票番号と「配送会社のサービスで受取日時・受取場所を変更できます」という案内を送ると、購入者が自分で受け取り方を調整しやすくなります。受注から発送連絡までの流れを整える方法は、EC受注処理を効率化するも参考にしてください。

EC参謀の見立て

私たちの現場では、配送まわりの改善というと「配送会社を変えるかどうか」の話になりがちですが、実際には受け取り方の選択肢と、トラブル時の対応ルールが決まっていないことが問い合わせの原因になっているケースが少なくありません。置き配・コンビニ受取は、配送会社の機能をそのまま使える部分が多い分、店側の「決めごと」の差が出やすい領域です。まずは主力商品で置き配可/不可を決め、規約とトラブル時の手順を1枚にまとめる——そこから始めるのが現実的な一歩だと考えています。

よくある質問

置き配で荷物が盗まれた場合、店が再発送しないといけませんか?

一律に決まっているわけではなく、店の規約、配送会社の約款やサービス規約、購入者との契約内容によって判断が変わります。そのため、置き配を選んだ場合の配達完了の考え方と、紛失・盗難時の連絡先・補償の範囲を、あらかじめ規約やご利用ガイドに書いておくことが大切です。実務では、まず配送会社に配達記録の確認と調査を依頼し、その結果と規約に沿って再発送・返金・補償手続きの案内を判断する流れが一般的です。高額品で判断に迷う場合や、規約の文面そのものを作る場合は、最新の約款・法令を公式情報で確認し、必要に応じて専門家に相談してください。

コンビニ受取に対応するには、どんな準備が必要ですか?

まず、契約している配送会社と、利用しているカートやモールがコンビニ受取に対応しているかを確認します。対応していれば、注文画面で受取方法として選べるように設定し、主力商品の梱包サイズ・重量がコンビニ受取の上限に収まるか、冷蔵品や代引きなど対象外の条件に当たらないかを整理します。あわせて、保管期限を過ぎて返送された場合の送料負担や再発送の条件をご利用ガイドに書いておくと、期限切れ時の対応がぶれにくくなります。上限や対象外の条件は配送会社・コンビニチェーンによって異なるため、最新の条件は各社の公式情報で確認してください。

置き配を導入したら、再配達はどのくらい減りますか?

商材・地域・購入者層によって差が大きく、一律の目安は出しにくいのが実情です。参考として、国土交通省の調査では2026年4月の宅配便の再配達率は約7.6%、置き配や宅配ボックスなど多様な受取方法の利用率は約31.0%でした。自店での効果を見るときは、配送会社全体の数字ではなく、導入前後の1〜3か月で「不在による持ち戻りの連絡件数」「長期不在による返送件数」「配送に関する問い合わせ件数」を比べるのが実用的です。減り方が小さい場合は、発送連絡メールでの受取方法の案内や、商品ページでの表示を見直すと改善することがあります。

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