Amazonが出品者契約(BSA)第18条を改定|2026年8月24日発効——EC運営者にとっての意味と今やるべきこと

Amazonが、出品者との基本契約である「Amazonサービスビジネスソリューション契約(BSA)」の第18条第2段落を改定し、2026年8月24日を効力発生日とすることを出品者向けに告知しています。改定後は、契約そのものの譲渡禁止に加えて、契約上の権利・義務を「譲渡」または「担保に供する」ことも明確に禁止されます。売上金(売掛金)を使った資金調達を検討している事業者には無視できない変更です。EC参謀の視点で、事実と現場への意味を整理します。
⏱ 忙しい人向け 3行まとめ
- 事実:BSA第18条第2段落が改定され、2026年8月24日発効。契約上の権利・義務の全部または一部を「譲渡」「担保に供する」ことが禁止と明記される。
- 意味:Amazonの売上金を担保・譲渡対象にする資金調達を使っている(検討している)店舗は、スキームが契約違反にあたらないかの確認が必要になる。
- アクション:発効前に契約全文を読み、資金調達の契約書と突き合わせる。判断が微妙なものは自己判断せず専門家に確認する。
発表の事実|何がどう変わるのか
Amazonはセラーセントラルのニュース欄で、BSA第18条第2段落の改定を告知しています。改定の前後で、条文は次のように変わります(いずれも告知に掲載されている文言です)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | Amazonサービスビジネスソリューション契約(BSA)第18条 第2段落 |
| 改定前 | 「出品者様は、Amazonの事前の書面による同意なしに、法律の施行またはその他によっても、本契約を譲渡することはできません。本条に違反するような譲渡やその他の移転の試行は無効となります。」 |
| 改定後 | 上記に加えて「また、本契約上の、または本契約に基づいて生じる権利または義務の全部または一部を譲渡したり、担保に供したりすることはできません。」という一文が追加される |
| 効力発生日 | 2026年8月24日 |
| 改定の理由(告知記載) | 「二重払いの危険や、支払遅延または不能の問題が生じるおそれを軽減するため」 |
| 同意の扱い | 効力発生日以降も出品サービスの利用を継続する場合、改定後の契約に同意したものとみなされる |
ポイントは、禁止の対象が「契約の譲渡」から「契約上の権利・義務の譲渡および担保設定」へ広がることです。改定前の条文は契約の地位そのものを移すことを禁じていましたが、改定後は契約から生じる個々の権利——たとえば売上金の支払を受ける権利——を第三者に譲ったり、担保に入れたりすることも文言上カバーされます。
EC運営者にとっての意味|資金繰りのスキームに関わる
この改定がもっとも影響しうるのは、Amazonからの入金(売掛金)を前提にした資金調達です。ECでは、入金サイクルを待たずに資金化する手段として、売掛金の譲渡を伴うファクタリングや、売掛債権を担保にする融資が使われることがあります。改定後の条文は、こうした「売上金を受け取る権利」を外部に移す・担保にする行為を明確に禁止する方向の文言になっています。
注意(ここは解釈です)
どのスキームが具体的に該当するかは、契約の解釈と個別の取引条件によって変わります。本記事は告知された条文をもとにした一般的な整理であり、法的な判断ではありません。自社が使っている(検討している)資金調達が該当するかどうかは、契約書を持参のうえ弁護士等の専門家に確認してください。最新の条文は必ずセラーセントラルの公式ページで確認を。
Amazonが挙げている理由——「二重払いの危険や、支払遅延または不能の問題が生じるおそれを軽減するため」——からも、支払先が誰なのかを曖昧にしないことが狙いだとみられます。権利が第三者に渡っていると、Amazonから見て「誰に払えばいいのか」が不確定になり、二重払いや支払遅延の火種になる、という趣旨です。
もう一点、実務的に見落としやすいのが「同意の取り方」です。この種の契約改定は、個別に同意ボタンを押す形ではなく、効力発生日以降も出品を続けていれば同意したとみなされる方式です。つまり、告知に気づかないまま条件が切り替わることが起こり得ます。契約変更の告知はセラーセントラルのニュース欄に流れるため、月に一度は目を通す習慣をつけておきたいところです。
今やるべきこと
発効は2026年8月24日。まだ時間はありますが、資金調達がからむ話は確認に日数がかかります。次の順番で手を打っておくと安全です。
- 公式の告知と条文を自分の目で読む……セラーセントラルのニュース/BSA本文で、第18条の最新の文言を確認する。要約ではなく原文にあたる。
- いま使っている資金調達を棚卸しする……Amazonの売掛金を対象にした譲渡・担保設定が含まれていないか、契約書の条項レベルで洗い出す。
- 該当しそうなら専門家に相談する……自己判断で「たぶん大丈夫」と流さない。契約違反はアカウントに関わるリスクなので、弁護士・顧問税理士など専門家の確認を挟む。
- 資金繰りの代替手段を用意しておく……売掛金の譲渡・担保に依存しない形(自己資金・通常の運転資金融資など)でも回るよう、8月までにキャッシュフローを見直しておく。
あわせて確認したい:7月27日の商品名75文字制限
Amazonは2026年7月27日から、メディア以外の全カテゴリーで商品名を75文字以下に制限する変更も告知しています。契約面と出品面で立て続けにルールが動いているタイミングなので、まとめて点検しておくと効率的です。詳しくはAmazonが商品名を75文字に制限|2026年7月27日開始をご覧ください。
出典
※本記事は上記の公開告知をもとに、2026年7月22日時点の情報で作成しています。条文は改定・追記される場合があります。最新の内容と正式な文言は必ずセラーセントラルの公式ページでご確認ください。法的な影響の判断については専門家にご相談ください。
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