@cosme「化粧品のギフト利用需要」調査、eギフト利用者の86.0%が今後も利用意向|EC運営者にとっての意味と今やるべきこと

「何を贈るか」より「相手が欲しいものを確実に届けたい」——ギフトの選び方に、そんな変化が数字で表れています。株式会社アイスタイル(以下、アイスタイル)は2026年9月9日、@cosmeの女性会員4,353人を対象にした「化粧品のギフト利用需要」調査の結果を公表しました。eギフトの利用経験者は化粧品ギフト経験者の28.1%にとどまる一方、そのうち86.0%が「今後も利用したい」と回答しています。化粧品に限った調査ですが、年末のギフト商戦を前にギフト対応を見直す材料として整理します。
⏱ 忙しい人向け 3行まとめ
- 事実:この2〜3年で化粧品を「贈った・もらった」経験がある人は84.1%(2022年8月の前回調査は79.4%)。化粧品ギフト経験者の71.7%が「サプライズより、確実に相手が欲しいものを贈る方が嬉しい」と回答しました。
- 意味:eギフトの利用経験は化粧品ギフト経験者の28.1%ですが、経験者の86.0%が継続意向、未経験者でも55.9%が利用意向を示しています。「住所を知らなくても贈れる」「相手が選べる」ことが評価されている点は、化粧品以外のギフト商材でも参考になりそうです。
- アクション:①自店のギフト注文の比率と贈り先の傾向を確認する、②「贈られた人が困らない」選択肢(色・香りの選択、交換の案内)があるかを見る、③eギフトに対応するかどうかを年末商戦前に判断する——の3点が現実的な打ち手です。
発表の事実:調査の概要と主な数字
アイスタイルの発表によると、15〜59歳の@cosmeプロデュースメンバー女性4,353人を対象に、2026年5月22日〜24日にWEBアンケートを実施した調査で、化粧品を贈る機会の増加と、「相手の欲しいもの」を重視する傾向が示されました。前回調査(2022年8月実施・有効回答6,936人)との比較も含まれています。
| 項目 | 結果 | 回答の対象 |
|---|---|---|
| 化粧品を「贈った・もらった」経験(この2〜3年) | 84.1%(前回79.4%) | 全体 |
| プレゼントの機会が「増えた」 | 化粧品44.6%(前回36.5%)/化粧品以外48.5%(前回38.4%) | 全体 |
| 「機会が増えた」の年代別 | 15〜19歳60.8%/20代57.6%/40代36.3%/50代34.7% | 全体 |
| 「サプライズより、確実に相手が欲しいものを贈る方が嬉しい」 | 71.7%(年代の差なく) | 化粧品ギフト経験者 |
| 化粧品をプレゼントされて困った経験 | 27.6% | 化粧品ギフト経験者 |
| もらった化粧品を人にあげた・メルカリなどで売った | 16.5% | 化粧品ギフト経験者 |
| コスメeギフトの利用経験(直近2〜3年) | 28.1% | 化粧品ギフト経験者 |
| eギフトを「今後も利用したい」 | 86.0% | eギフト利用経験者 |
| eギフトの利用意向 | 55.9% | 未経験層(化粧品ギフト経験者の71.9%) |
| 自分への「ご褒美ギフト」として化粧品を購入 | 86.9% | 全体 |
- 「化粧品ギフト経験者」の定義……この2〜3年で化粧品を贈った、もしくはもらった経験がある人(3,659人)。
- 贈る理由・重視すること……この2〜3年で化粧品を贈ったことがある人(3,133人)に聴取。「日常では買わない特別感・ご褒美を味わえる」67.1%、「消耗品で、相手に気を使わせない」49.9%、「ギフトとしての見ばえがよい(ブランドのロゴやパッケージなど)」47.7%が上位でした。同じ設問で「相手の欲しいものである」は44.2%、「自分が好きなものである」は35.9%(前回42.2%)です。
- eギフト利用経験者の属性……20代29.6%・30代41.7%で合わせて7割超(回答者全体の年代比率より各+9pt)。職業は「会社員」61.2%(同+7pt)。
- eギフトを利用したい理由(自由回答)……「手軽さ・気軽さ・手間の軽減」が最多で、「相手が自分で選べる」「住所不要・会えなくても贈れる」が続きました。
※対象は@cosmeの女性会員で、化粧品のギフトに関する調査です。すべての商材・購入者層に同じ傾向が当てはまるとは限りません。
EC運営者にとっての意味
ギフト需要の中身が「贈り手のおすすめ」から「受け取る人が困らないもの」へ寄っている可能性がある、というのが今回の調査から読み取れる一番のポイントです。以下は当メディアの解釈です。
①「確実に欲しいもの」志向は、選べる仕組みと相性がよい。化粧品ギフト経験者の71.7%が「確実に相手が欲しいもの」を望み、27.6%が「贈られて困った」経験を持つという結果は、ギフトの失敗を避けたい気持ちの強さを示しているとみられます。化粧品は色・香り・肌との相性で好みが分かれる商材ですが、サイズ・色・味などの好みが分かれる商材ほど、同じ構図が起きやすいと考えられます。
②eギフトは「まだ少数派だが、使った人の評価は高い」段階。利用経験は28.1%にとどまる一方で継続意向が86.0%という数字は、認知や初回利用のハードルが残っている段階とも読めます。20〜30代の会社員が利用を牽引しているという属性データからは、若い世代や職場まわりのギフトに強い商材ほど、先に検討する価値がありそうです。
③住所を聞かなくても贈れることが、贈る相手の広がりに合っている。アイスタイルは、好みを知り尽くしていない相手にも贈る場面が増えていると考察しています。ただし、eギフトの導入には在庫の引き当てや有効期限切れの扱いなど運用設計が伴うため、自店のギフト注文の実態を見てから判断するのが現実的です。
今やるべきこと
年末のギフト商戦(お歳暮・クリスマス)の準備に合わせて点検しておくと、無駄になりにくい項目です。
- ギフト注文の実態を数字で見る……直近1年の注文から、ラッピング・のし・メッセージカードの指定率や、注文者と届け先が異なる注文の割合を確認します。ギフト比率が高い店ほど、今回の調査の示唆が当てはまりやすくなります。
- 「贈られた人が困らない」工夫があるかを見る……色や香りを選べるセット、贈り先で交換できる案内、金額が伝わらない明細の同梱設定など、受け取る側の目線で商品ページとギフト設定を見直します。仕様の決め方はECのギフト対応強化で整理しています。
- eギフト対応の要否を年末前に判断する……利用しているカート・モールで使えるeギフトの仕組みがあるか、手数料と運用負荷はどうかを確認し、対応するなら主力のギフト商品から小さく試す判断材料にします。
EC参謀の見立て
ギフト対応というと、ラッピングやのしの種類を増やす方向に考えがちです。ただ今回の調査は、贈る側の「外したくない」気持ちに応えることの大切さを示しているように見えます。私たちの現場でも、ギフト需要のある店では、商品を増やすより「贈り物として選ぶときに迷わない情報」——内容量・日持ち・好みが分かれにくい構成・贈り先での交換可否——を商品ページに足したほうが反応が変わるケースがあります。eギフトを入れるかどうかの前に、まずはその情報がそろっているかの確認から始めるのが現実的だと考えています。
出典
※数値はすべて上記調査(@cosme調べ)の発表内容のままです。調査対象は15〜59歳の@cosmeプロデュースメンバー女性で、商材・客層によって傾向は異なります。
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