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電通グループが購買行動モデル「AIJES」を提唱|EC運営者にとっての意味と今やるべきこと

公開:2026.09.11 / EC参謀 編集部
電通グループが購買行動モデル「AIJES」を提唱|EC運営者にとっての意味と今やるべきこと

買い物の入り口が検索窓からAIへの質問に移りつつある——その変化を、広告会社が正面から「モデル」として言語化しました。国内電通グループ4社(株式会社電通総研、株式会社電通、株式会社電通デジタル、株式会社電通マクロミルインサイト)は2026年9月10日、AI時代の購買行動モデル「AIJES(アイジェス)」を提唱したと発表しました。蓄積・問答・判断・参加・評価の5ステップが循環するという整理で、ウェブ時代の購買行動モデル「AISAS®」を発展させたものと説明されています。EC運営者の立場で、この枠組みをどう読むかを整理します。

⏱ 忙しい人向け 3行まとめ

  • 事実:国内電通グループ4社が2026年9月10日、購買行動モデル「AIJES」を提唱。A=蓄積(Archive)、I=問答(Interaction)、J=判断(Judgment)、E=参加(Engagement)、S=評価(Score)の5つで構成され、人とAIが協働しながらこの5ステップを循環するという整理です。同グループは2025年からこのモデルの実践を進めてきたとしています。
  • 意味「検索して比べて買う」の前段に、AIとのやりとりが挟まる前提で顧客接点を設計する、という考え方の提示です。特定のツールや広告商品の発表ではないため、明日から何かが変わるという種類のニュースではありません。中小店舗にとっては、商品情報の書き方とレビューの扱いを見直す手がかりとして読むのが現実的だと考えています。
  • アクション:①自店の主力商品を実際にAIに質問して、何が引用されるかを確認する、②スペック・用途・サイズ感など「問いに答えられる情報」が商品ページに文字で書かれているかを点検する、③購入後のレビュー・問い合わせ内容をページに反映する導線を作る——の3点から着手すると進めやすくなります。

発表の事実:AIJESとは何か

AIJESは、AI時代の生活者の購買行動を「蓄積・問答・判断・参加・評価」の5ステップでとらえるモデルです。2026年9月10日、電通総研・電通・電通デジタル・電通マクロミルインサイトの国内電通グループ4社が連名で提唱を発表しました。発表資料で説明されている構成は次のとおりです。

頭文字ステップ発表での位置づけ
A蓄積(Archive)生活者側とAI側の双方に情報・文脈が蓄積されていく段階
I問答(Interaction)AIに問いを立て、対話しながら情報を得る段階
J判断(Judgment)得られた回答を参考に意思決定する段階
E参加(Engagement)購買などの行動・ブランドとの関わりが生まれる段階
S評価(Score)体験を評価し、その評価がまた蓄積へ戻る段階

この発表に含まれていないこと

今回の発表はモデル(考え方の枠組み)の提唱であり、新しい広告商品・ツール・料金体系の発表ではありません。また、各ステップの構成比や効果を示す調査数値は、公開されている発表資料の範囲では確認できませんでした。数字を伴う話として引用する際は注意が必要です。

EC運営者にとっての意味

この発表を実務に置き換えると、「商品ページはAIに読まれて要約される前提で書く」という作業に行き着きます。以下は当メディアの解釈であり、発表資料に書かれている内容ではない点はお含みおきください。

①「問答」に耐える情報が、ページに文字で書いてあるか。AIが答えを組み立てる材料は、基本的にウェブ上に文字として存在する情報です。サイズ感、素材、使用シーン、他商品との違い、注意点——こうした「聞かれそうなこと」が画像の中だけに描かれている商品ページは、人の目には十分でもAIからは中身が薄く見えることになりやすい部分です。バナー画像に書いてある訴求文を、テキストでも本文に置いておく。地味ですが、今日からできる作業としてはここが最初になります。

②「評価」が次の「蓄積」に戻る、という循環の読み方。AIJESでは、購入後の評価がまた情報の蓄積に戻ると整理されています。ECの現場に引き直すと、レビュー・Q&A・問い合わせの回答といった購入後に生まれるテキストが、次の買い物客がAIに質問したときの材料になり得るということです。レビュー返信を放置している店舗と、丁寧に返している店舗で、長期的に差が出る余地があると見ています。

③慌てて広告費を動かす話ではない。購買行動モデルは、あくまで現象の整理のしかたです。AISASが提唱された当時も、モデルが出たから明日売上が変わったわけではありませんでした。今回のニュースは「AI経由の来訪が無視できない規模に近づいている」という業界側の認識を確認する材料として受け取り、既存のSEO・広告・CRMの優先順位を大きく崩さない範囲で、商品情報の整備を1段進める——というのが、中小規模の店舗にとっては現実的な受け止め方ではないでしょうか。

今やるべきこと

どれも半日程度で着手できる範囲にしぼりました。

EC参謀の見立て

購買行動モデルの提唱は、それ自体が施策ではありません。ただ、広告会社が公式にモデルを更新したという事実は、クライアント企業の予算配分の議論がその枠組みで進んでいく可能性を示しています。中小EC店舗が今から大手と同じ土俵で動く必要はありませんが、「AIに聞かれたときに答えられる商品ページになっているか」という点検は、AI以前のSEOやCVR改善ともほぼ同じ作業です。新しい対策を足すというより、後回しにしてきたページ情報の整備が、別の理由からも効くようになった——私たちの現場ではそう捉えています。焦って専用ツールを導入するより、主力20商品のページを書き直すほうが先だと考えています。

出典

※本記事の「EC運営者にとっての意味」以降は当メディアによる解釈です。モデルの定義・表現は必ず一次情報(発表資料)でご確認ください。AISAS®は株式会社電通の登録商標です。

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