佐川急便がエクスプレスバッグを再値上げ|EC運営者にとっての意味と今やるべきこと

送料の話は毎年のようにニュースになりますが、今回上がるのは運賃ではなく「袋」のほうです。佐川急便株式会社(以下、佐川急便)は、袋状の包装資材「エクスプレスバッグ」のうちG-LとG-Sの2品目について、2026年10月1日注文分から価格を改定すると発表しました。値上げ幅はバラ売り・ケース売りともに10%前後で、2026年4月1日の改定に続く今年2回目の引き上げにあたります。1枚あたりで見れば十数円の差ですが、出荷件数を掛けると月次の損益に乗ってくる規模になります。
⏱ 忙しい人向け 3行まとめ
- 事実:佐川急便がエクスプレスバッグG-L・G-Sを値上げ。2026年10月1日注文分から適用。税込のバラ売りでG-Lは126円→139円、G-Sは97円→107円と、いずれも約10.3%の引き上げです。理由は経済情勢の変動と原油価格・各種資材価格の高騰と説明されています。
- 意味:上がるのは運賃ではなく梱包資材費なので、送料設定を見直していない店舗では、気づかないまま1件あたりの粗利が削られる形になりやすい部分です。今年2回目という点も、来期の見積もりに影響しそうです。
- アクション:自店の月間使用枚数×差額で影響額を試算し、①9月中の発注量を検討する、②袋以外の選択肢(自社調達の宅配袋・ダンボール)と比較する、③送料無料ラインと同梱設計を再計算する、の3点を進めておくと動きやすくなります。
発表の事実:何がいくら上がるのか
値上げの対象は「エクスプレスバッグG-L」「エクスプレスバッグG-S」の2品目で、適用は2026年10月1日の注文分からです。報じられている価格は以下のとおりです(いずれも税込)。
| 商品・単位 | 改定前 | 改定後 | 差額(率) |
|---|---|---|---|
| G-L/バラ売り(1枚) | 126円 | 139円 | +13円(約10.3%) |
| G-L/ケース売り(125枚) | 14,108円 | 15,593円 | +1,485円(約10.5%) |
| G-S/バラ売り(1枚) | 97円 | 107円 | +10円(約10.3%) |
| G-S/ケース売り(250枚) | 21,780円 | 24,008円 | +2,228円(約10.2%) |
- 適用時期……2026年10月1日の注文分から。9月30日までの注文は現行価格という整理になります。
- 対象商品の特徴……エクスプレスバッグは樹脂繊維(ワリフ)を用いて本体強度を高めた袋状の資材で、PP加工による防水機能を備えていると案内されています。書籍・アパレル・小物など、箱に入れるほどではない商材の発送で使われることの多い資材です。
- 理由(発表による)……物流コストの抑制に向けた取り組みを続けてきたものの、昨今の経済情勢の変動や原油価格・各種資材価格の高騰の影響を受けたため、と説明されています。
- 今年2回目……佐川急便は2026年4月1日にもエクスプレスバッグを含むマテリアル販売商品約30品目の価格を改定しています。今回はそれに続く改定という位置づけです。
「運賃の値上げ」とは別の話です
今回発表されたのはマテリアル販売商品(包装資材)の価格改定で、宅配便の運賃改定とは別の発表です。同じ会社の同時期の話でも、切り分けて社内に共有しておくと、後の値上げ交渉や送料設定の議論が混乱しにくくなります。契約内容によって適用条件が異なる場合もあるため、自店の適用価格は担当の営業所にご確認ください。
EC運営者にとっての意味
ここからは解釈です。実務への影響でいちばん大きいのは、「1件あたり十数円」が可視化されにくいコストであるという点だと考えています。
①影響額は件数で決まる。バラ売りで見ればG-Lが+13円、G-Sが+10円ですが、月500件の出荷でG-Sを使っている店舗なら月+5,000円前後、月3,000件なら月+30,000円前後という計算になります。運賃の値上げと違って請求書の見た目が大きく変わらないぶん、気づかれにくいコストでもあります。まずは自店の月間使用枚数を確認するところからで十分です。
②送料無料ラインの前提が少しずつずれていく。送料無料ラインは「送料+資材費+手数料」を粗利で吸収できるかどうかで決めるのが一般的ですが、この資材費の側が年2回動くと、設定当時の試算と実態が離れていきます。すぐにラインを引き上げる必要があるという話ではなく、送料無料ラインの計算を年1回は見直す運用にしておくと、判断が後手になりにくいと感じています。
③資材は「運送会社から買う」以外の選択肢もある。運送会社の純正資材は品質と伝票運用が安定している一方、汎用の宅配袋やダンボールを自社で調達するほうが単価を抑えられる場面もあります。ただし、破損率・作業時間・在庫の置き場所まで含めると単純比較にはなりにくいところです。「1枚あたりの単価」だけで乗り換えると、梱包時間や事故対応で戻ってくることがある点は、私たちの現場でもよく見かけます。10月の改定を機に、比較材料として見積もりを取っておく程度が現実的ではないでしょうか。
今やるべきこと
9月中に手を動かせる範囲でまとめました。どれも半日かからない作業です。
- 影響額を試算する……直近3か月のエクスプレスバッグ使用枚数(G-L/G-S別)を出し、差額(+13円/+10円)を掛けます。月額と年額の2つで出しておくと、社内の判断材料にしやすくなります。
- 9月中の発注量を検討する……9月30日までの注文は現行価格という案内なので、保管スペースと資金繰りに余裕があれば前倒し発注も選択肢になります。ただし置き場所と使用ペースを超える買いだめは在庫リスクのほうが大きくなりやすいので、1〜2か月分程度を目安にするのが無難だと考えています。
- サイズ選定を見直す……G-Lで送っている商品がG-Sに収まらないかを確認します。1枚あたり30円前後の差があるため、サイズを1つ落とせる商材が一定数あれば、値上げ分を吸収できる場合があります。梱包の見た目と破損リスクとのバランスは要確認です。
- 送料設定と同梱設計を再計算する……送料設定の考え方を踏まえ、資材費を含めた1件あたりの発送コストを更新します。配送会社の使い分けとあわせて、商材ごとの最適解を確認しておくと判断が早くなります。
EC参謀の見立て
今回の発表で注目したいのは、値上げ幅そのものよりも「今年2回目」という頻度のほうです。資材価格が年単位で安定していた時期の前提のまま送料無料ラインや同梱物を設計している店舗は、少しずつ実態とずれている可能性があります。私たちの現場では、送料と手数料は毎年見直すのに資材費だけは開店当時の数字のままという店舗を見かけることが少なくありません。値上げのたびに慌てるより、資材費を含めた「1件あたりの発送コスト」を1枚のシートで持っておくほうが、次の改定にも落ち着いて対応しやすくなると考えています。
出典
- 佐川急便、袋状の包装資材「エクスプレスバッグ」のG-LとG-Sを値上げへ|ネットショップ担当者フォーラム(2026年9月9日)
- 佐川急便/防水の宅配袋2商品を10月より値上げ、Sサイズの単価100円超に|LNEWS(2026年9月7日)
- お知らせ|佐川急便(公式)
- マテリアル販売サポート|佐川急便(公式)
※価格は報道で確認できた税込金額です。契約内容や購入形態によって適用価格が異なる場合があるため、自店に適用される金額と適用条件は必ず佐川急便の公式案内および担当営業所でご確認ください。
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