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梱包資材の選び方とコスト削減|サイズ設計の基本

公開:2026.09.15 / EC参謀 編集部
梱包資材の選び方とコスト削減|サイズ設計の基本

「送料は毎年見直しているのに、段ボールや緩衝材の費用は開店したときのまま」——発送コストの相談で、よく出てくる状態です。梱包資材は1件あたり数十円の差に見えますが、資材の大きさが運賃のサイズ区分を決めるため、実際には送料そのものに直結しています。この記事では、梱包コストの内訳、資材ごとの選び方、サイズ設計の考え方、コストを下げる順番、見直しの手順を、EC運営者の視点で順に整理します。2026年10月は日本郵便の運賃改定や佐川急便の包装資材の値上げが重なるため、見直しのタイミングとしても区切りのよい時期です。

⏱ 忙しい人向け 3行まとめ

  • 梱包コストは「資材の単価」だけでなく、資材の大きさで決まる運賃のサイズ区分と、梱包にかかる作業時間を合わせた「1件あたりの発送コスト」で見るのが目安です。
  • 削減は、①サイズ区分を下げる→②資材の種類を絞る→③まとめて調達する、の順で考えると効果が出やすくなります。単価の安い資材への切り替えは最後です。
  • 2026年10月は日本郵便の運賃改定(ゆうパケットの一律360円化など)と佐川急便のエクスプレスバッグ値上げが重なるため、主力商品の梱包を1度計り直すのに向いた時期です。

梱包コストの内訳|資材費・運賃・作業時間の3つで見る

梱包コストは、段ボールや袋などの資材費、資材の大きさで決まる運賃、梱包にかかる作業時間の3つを合わせた「1件あたりの発送コスト」として見るのが実務的です。資材費だけを見て安い資材に替えると、サイズが大きくなって運賃が上がったり、梱包に時間がかかったりして、合計ではかえって高くなることがあります。

コストの種類中身の例見落としやすい点
資材費段ボール、宅配袋、封筒、緩衝材、テープ、納品書・同梱物緩衝材・テープ・同梱チラシなど「箱以外」の積み上げ
運賃宅配便のサイズ区分(3辺合計)×届け先地域、ポスト投函型の厚さ・重量条件数cmの差でサイズ区分が1つ上がる
作業時間組み立て、緩衝材の充填、封かん、伝票・同梱物の準備資材の種類が多いほど、選ぶ・探す時間が増える
事故対応破損・液漏れ時の再発送、返品対応、低評価レビュー資材を削りすぎると、ここで戻ってくる

宅配便の運賃は、ヤマト運輸・佐川急便・日本郵便のいずれも「荷物のサイズ(3辺合計)×届け先地域」で決まる仕組みが基本で、実際の金額は契約条件によって変わります。つまり、梱包の外寸を決める資材選びは、運賃を決める作業でもあるということです。配送会社ごとのサービスの違いはヤマト・佐川・日本郵便の使い分けで整理しています。

梱包資材の種類と選び方|商材に合わせて使い分ける

梱包資材は、商品の「壊れやすさ」「厚み」「見た目の重要度」の3つで選ぶと迷いにくくなります。代表的な資材と向いている商材の目安は、次のとおりです。

段ボール箱

割れ物・食品・複数点の同梱など、形を守る必要がある商品向き。既製サイズを使うか、主力商品に合わせたサイズを作るかで、運賃と緩衝材の量が変わります。

宅配袋・ビニール袋

衣類・布製品・書籍など、つぶれにくい商品向き。箱より外寸と重さを抑えやすく、保管スペースも小さく済みます。配送会社の純正品と汎用品で単価と使い勝手が異なります。

薄型の箱・封筒

アクセサリー・小物・カード類など、ポスト投函型の配送に収めたい商品向き。厚さの上限に収まるかどうかが、資材選びの最優先になります。

緩衝材

エアキャップ、紙の緩衝材、エア緩衝材など。量が多すぎても少なすぎてもコスト増につながるため、商品ごとに「使う量」を決めておくと作業時間もそろいます。

資材を選ぶ前に、商品を「割れる・漏れる・つぶれる・つぶれない」の4つに仕分けておくと、箱にするか袋にするか、緩衝材をどれくらい入れるかの判断がそろいやすくなります。見た目の重要度も判断材料になります。ギフト需要が多い商品や、開封の体験を重視するブランドでは、資材費を抑えるより印刷入りの箱や整った梱包のほうが評価につながることがあります。一方で、日用品や消耗品のリピート注文では、簡易な梱包でも不満が出にくい傾向があります。ギフト対応の設計はECのギフト対応強化も参考にしてください。

サイズ設計の基本|サイズ区分を1つ下げるのがいちばん効く

梱包コストの削減でいちばん効果が大きくなりやすいのは、資材の単価を下げることではなく、梱包後の外寸を見直して運賃のサイズ区分を1つ下げることです。宅配便は3辺合計でサイズ区分が決まるため、数cmの違いで1段階上の運賃になっているケースがあります。

STEP1 主力商品の梱包後の外寸と重さを計る

売上上位10〜20品について、実際に梱包した状態の縦・横・高さと重さを計ります。カタログ上の商品サイズではなく、緩衝材を入れた後の外寸を使うのがポイントです。

STEP2 サイズ区分の境目との差を見る

3辺合計が区分の上限を少しだけ超えている商品や、ポスト投函型の厚さ上限を少しだけ超えている商品に印を付けます。ここが削減の候補になります。

STEP3 箱と緩衝材の組み合わせを試す

一回り小さい箱、高さを調整できる箱、袋への切り替えなどを試し、破損しないかをテスト発送で確かめます。

STEP4 「この商品はこの資材」を表にする

商品ごとに使う資材と緩衝材の量を決めて一覧にし、梱包する人が迷わない状態にします。

ポスト投函型の配送は、厚さの条件に収まるかどうかで運賃が大きく変わります。たとえば日本郵便は2026年10月1日から、ゆうパケットの運賃を厚さ3cm以内で一律360円に統合し、クリックポストを185円から240円に改定すると発表しています(重量上限は1kgから2kgに拡大)。これまで「薄さ」で運賃を抑えていた商品ほど、資材と配送手段の組み合わせを計り直す価値があると考えられます。改定の詳細は日本郵便の2026年10月の運賃改定で解説しています。

運賃・サイズ条件は必ず最新を確認する

サイズ区分の上限、厚さ・重量の条件、運賃は配送会社・サービス・契約内容によって異なり、改定されることもあります。資材を切り替える前に、各社の公式情報と担当営業所で自店に適用される条件を確認してください。

コストを下げる順番|単価の安い資材に替えるのは最後

梱包コストは、効果の大きい順に「サイズ区分を下げる→資材の種類を絞る→まとめて調達する→単価の安い資材を比べる」と進めるのが現実的です。

順番打ち手効き方の目安注意点
① サイズ区分を下げる箱の小型化、袋への切り替え、ポスト投函型への移行運賃に効くため、1件あたりの差が大きくなりやすい破損率が上がらないかテスト発送で確認
② 資材の種類を絞る似たサイズの箱を統合し、主力サイズを数種類に発注・保管・梱包作業の手間が減る統合しすぎると緩衝材が増える
③ まとめて調達する使用量の多い資材をケース単位・定期発注に1枚あたりの単価が下がりやすい保管スペースと資金繰りの範囲で
④ 資材の単価を比べる配送会社の純正資材と汎用品、仕入れ先の比較1枚あたり数円〜十数円の差強度・作業時間・事故対応まで含めて比較

④の単価比較は、値上げの発表があったときに真っ先に検討されやすい打ち手です。たとえば佐川急便は、袋状の包装資材「エクスプレスバッグ」G-L・G-Sの価格を2026年10月1日注文分から10%前後引き上げると発表しています。こうした改定は資材を見直すきっかけになりますが、1枚あたりの単価だけで乗り換えると、強度や作業時間の差で結局コストが戻ってくることがあります。影響額の出し方は佐川急便のエクスプレスバッグ値上げの記事で整理しています。

見直しの手順|1件あたりの発送コストを1枚のシートで持つ

梱包資材の見直しは、商品ごとの「1件あたりの発送コスト」を1枚のシートにまとめ、改定のたびに数字を更新する運用にしておくと、判断が後手になりにくくなります。

梱包作業そのものの負荷が大きくなってきた場合は、物流代行に出す選択肢もあります。代行を使う場合も、資材の種類とサイズが整理されているほど見積もりが比べやすくなります。判断の目安はEC物流代行(フルフィルメント)の選び方と費用感を参考にしてください。

EC参謀の見立て

私たちの現場では、梱包コストの見直しというと「もっと安い段ボールはないか」から入るケースが多いのですが、実際に差が出やすいのは主力商品の梱包後の外寸を計り直したときです。箱を一回り小さくしただけでサイズ区分が下がる商品が、売上上位の中に1つ2つ見つかることは珍しくありません。2026年10月は運賃と資材の改定が重なる月なので、まずは売上上位10品の外寸と重さを計るところから始めるのが、手間の割に効果の出やすい一歩だと考えています。

よくある質問

段ボールはオーダーサイズで作ったほうが安くなりますか?

商品と出荷量によって変わるため一概には言えませんが、主力商品が決まっていて同じサイズの出荷が多い場合は、専用サイズにすることで緩衝材が減り、サイズ区分を下げられる可能性があります。一方で、オーダーサイズは最小ロットや保管スペースが必要になることが多く、出荷量が少ない段階では既製サイズのほうが扱いやすいこともあります。まずは既製サイズで主力商品の外寸と区分の境目を確認し、効果が見込める商品から検討するのが目安です。

配送会社の純正資材と市販の資材は、どちらを選べばいいですか?

純正資材は配送サービスとの相性や強度が安定している一方、市販の汎用資材は単価を抑えやすく、サイズの選択肢も多い傾向があります。選ぶときは1枚あたりの価格だけでなく、梱包の作業時間、破損率、保管のしやすさまで含めて比べるのが現実的です。サービスによっては専用資材の利用が条件になっている場合もあるため、最新の条件は各配送会社の公式情報で確認してください。

緩衝材を減らすと破損が増えそうで不安です。どう判断すればいいですか?

いきなり全商品で減らすのではなく、主力商品の数点で緩衝材の量や種類を変えたテスト発送を行い、到着時の状態を確認してから広げるのが安心です。あわせて、見直し前後の1〜2か月で破損による再発送の件数や梱包に関する問い合わせを比べると、判断材料になります。割れ物・液体・高額品は、コストより破損防止を優先して設計するのが目安です。

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