EC運営代行の依頼書(RFP)テンプレート|伝えるべき10項目

EC運営代行の依頼書(RFP)とは、代行会社に提案と見積もりを依頼するときに、自店の状況・頼みたい範囲・期待する成果・予算や期限をまとめて伝える文書のことです。RFPは「Request for Proposal(提案依頼書)」の略で、大げさな書類に聞こえますが、EC運営代行の場合はA4で2〜3枚ほどで十分です。同じ依頼書を各社に渡すと、提案と見積もりを同じ条件で比べられるようになります。この記事では、依頼書に書いておきたい10項目と、そのまま使えるテンプレートを順に紹介します。
⏱ 忙しい人向け 3行まとめ
- EC運営代行の依頼書は、自店の状況、頼みたい範囲、期待する成果、予算と期限をまとめて伝える文書です。A4で2〜3枚ほどで足ります。
- 書いておきたいのは、店舗の概要、依頼の目的、現状の数字、販売チャネルとツール、業務の範囲、成果の測り方、社内体制、予算、スケジュール、提案に含めてほしい内容の10項目です。
- 同じ依頼書を3社前後に同じ日に送ると、回答の差がそのまま比較材料になります。売上などの数字は最初は幅で伝え、詳しい数字は秘密保持契約を結んでから出すと安心です。
EC運営代行の依頼書(RFP)を作る理由
EC運営代行の依頼書を作る理由は、各社の提案と見積もりを同じ前提で比べられるようにするためです。依頼書なしで商談を始めると、各社が聞き取った内容をもとに提案を作るため、前提がそろわず、金額の差が「作業範囲の差」なのか「単価の差」なのかが分かりにくくなります。
依頼書があると、次のようなずれを減らしやすくなります。
- 範囲のずれ……「商品登録は含まれていると思っていた」「広告は予算設定までだった」といった、契約後に気づく認識の違い。
- 期待のずれ……こちらは売上の伸びを期待していたのに、代行会社は作業の代わりを請け負うつもりだった、という目的の違い。
- 比較のずれ……各社の見積もりの項目名や単位がばらばらで、総額を並べられない状態。
もう1つの効果は、書く過程で自店の課題が整理されることです。依頼書を書こうとして「何を頼みたいのか」が言葉にならない場合は、代行に頼む前に整理しておくことがあるというサインでもあります。代行の基本的な仕組みはEC運営代行とはで整理しています。
EC運営代行の依頼書に書く10項目
EC運営代行の依頼書に書いておきたいのは、次の10項目です。すべてを細かく埋める必要はなく、分からない項目は「未定」「相談したい」と書いておけば、代行会社からの質問で補えます。
| 項目 | 書く内容の例 |
|---|---|
| ① 店舗・会社の概要 | 会社名、扱う商品、ブランドの特徴、創業や出店の時期 |
| ② 依頼の背景と目的 | なぜ今代行を検討しているか、半年〜1年後にどうなっていたいか |
| ③ 現状の数字 | 月商、注文件数、広告費、商品数(最初は幅でよい) |
| ④ 販売チャネルとツール | 出店しているモールやカート、受注管理などのツール |
| ⑤ 頼みたい業務の範囲 | 任せたい作業と、手元に残したい作業の区別 |
| ⑥ 期待する成果と測り方 | 何の数字で成果を見るか、報告の頻度 |
| ⑦ 社内の体制と窓口 | 担当者、決裁者、社内で対応できる時間 |
| ⑧ 予算の目安 | 月額の上限、広告費と代行費用の分け方 |
| ⑨ スケジュール | 提案の締め切り、開始の希望時期 |
| ⑩ 提案に含めてほしい内容 | 体制、見積もりの内訳、レポート見本、契約条件 |
このうち、比較のしやすさに特に効くのは⑤と⑩です。⑤で範囲を先に決めておくと見積もりの前提がそろい、⑩で回答の形式を指定しておくと、各社の提案を同じ表に並べやすくなります。
⑤ 頼みたい業務の範囲は「任せる・残す」で分ける
業務の範囲は、作業の一覧を作って「任せる」「手元に残す」「相談したい」の3つに振り分けると書きやすくなります。
任せる例
- 商品登録と商品ページの更新(月○点まで)
- セール・イベントのバナー制作
- モール広告の日々の調整
- 月1回のレポート作成
手元に残す例
- 仕入れ・価格の最終判断
- お客様からの問い合わせ対応
- 受注処理と出荷
- 新商品の企画
数量や頻度(月何点、月何本、週何回)まで書いておくと、見積もりのずれが減りやすくなります。どこまで任せるかの考え方はEC運営代行と内製の比較も参考になります。
⑥ 期待する成果は「何で測るか」まで書く
「売上を伸ばしたい」だけでは、代行会社ごとに受け取り方が変わります。売上、アクセス数、転換率、広告の費用対効果、作業時間の削減など、何の数字で成果を見るかを1〜3個に絞って書いておくと、提案の方向がそろいやすくなります。数字の目標は代行会社と相談して決めてもよいので、「目標値は提案いただきたい」と書いておく形でも構いません。
EC運営代行の依頼書テンプレート(コピペ用)
EC運営代行の依頼書は、次のテンプレートの【 】を埋めるだけで形になります。そのままメールやWordに貼り付けて使ってください。
-
店舗・会社の概要 会社名:【 】 扱う商品:【 】 ブランドの特徴:【 】 出店・開業の時期:【 】
-
依頼の背景と目的 代行を検討している理由:【 】 半年〜1年後に目指す状態:【 】
-
現状の数字(概算・幅で可) 月商:【 万〜 万円】 月の注文件数:【 件前後】 月の広告費:【 万円前後】 商品数:【 点】
-
販売チャネルとツール 出店先:【楽天市場/Amazon/Yahoo!ショッピング/自社EC(カート名)】 受注・在庫管理ツール:【 】
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依頼したい業務の範囲 任せたい業務:【 】(数量・頻度:【 】) 手元に残す業務:【 】 相談したい業務:【 】
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期待する成果と測り方 重視する指標:【 】 報告の頻度と形式の希望:【月1回/週1回、資料/打ち合わせ】
-
社内の体制 窓口担当:【 】 決裁者:【 】 社内で対応できる時間:【週 時間程度】
-
予算の目安 代行費用の月額上限:【 万円】 広告費(代行費用とは別枠):【 万円】
-
スケジュール ご提案の締め切り:【 月 日】 開始の希望時期:【 月頃】
-
ご提案に含めていただきたい内容 ・担当体制(担当者の人数と、兼任している店舗数) ・見積もりの内訳(初期費用・月額・成果報酬・追加料金の条件) ・月額に含まれる作業の範囲と数量 ・レポートの見本 ・最低契約期間、解約の条件、アカウントの名義 ・ほかに当店の状況で検討したほうがよい選択肢があれば、その内容
最後の行の「ほかに検討したほうがよい選択肢」は、あえて入れておくのがおすすめです。フル代行ではなく部分的な外注のほうが合っている場合に、それを伝えてくれるかどうかも比較材料になります。商談で追加で聞きたいことはEC運営代行の商談で聞くべき質問リストにまとめています。
EC運営代行の依頼書を書くときの注意点
EC運営代行の依頼書を書くときに気をつけたいのは、数字の出し方、機密情報の扱い、書きすぎないこと、の3点です。
お客様の個人情報は依頼書に入れない
依頼書の段階で、顧客リストや注文データそのものを渡す必要はありません。詳しいデータを共有するのは、秘密保持契約(NDA)や業務委託契約を結んでからにするのが一般的な進め方です。個人情報の取り扱いは、最新の法令やガイドラインを公式情報・専門家でご確認ください。
- 数字は最初は幅でよい……月商や広告費は「○○万〜○○万円」の幅で伝えても、提案の方向性は十分に判断できます。詳しい数字は、候補を2〜3社に絞って秘密保持契約を結んでから出す2段階にすると安心です。
- 予算は書いたほうが比べやすい……予算を伏せると、各社がそれぞれの想定で提案するため、金額の幅が大きく開きやすくなります。上限だけでも書いておくと、その範囲でできることを提案してもらえます。費用の考え方はEC運営代行の費用相場で整理しています。
- 手段まで決めすぎない……「この広告を使ってほしい」「このデザインにしてほしい」と手段まで細かく指定すると、代行会社の知見を活かした提案が出にくくなります。依頼書には目的と制約を書き、手段は提案に任せるくらいの粒度が目安です。
- 課題は正直に書く……売上が落ちている、担当者が辞めた、といった事情は書きにくいものですが、背景が分かるほうが提案の精度は上がりやすくなります。
EC運営代行の依頼書を送ってから比較するまでの流れ
EC運営代行の依頼書を送ってから契約先を決めるまでは、次の5つのステップで進めると比べやすくなります。
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STEP1:3社前後に同じ依頼書を同じ日に送る
送る相手は3社前後が目安です。締め切りは2〜3週間後に設定しておくと、各社が提案を準備する時間を取りやすくなります。
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STEP2:質問を受け付けて、回答を全社に共有する
ある会社から受けた質問とその回答は、ほかの会社にも同じ内容で伝えます。前提をそろえておくと、提案の比較がしやすくなります。
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STEP3:提案を同じ表に並べる
体制、作業範囲と数量、1年間の総額、レポートの形、契約条件を1枚の表に並べます。見積書の項目の読み方はEC運営代行の見積書の読み方を参考にしてください。
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STEP4:2社ほどに絞って商談する
表で絞った2社ほどと商談し、担当予定者と直接話します。依頼書の内容を前提に話せるので、商談の時間を具体的な確認に使えます。
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STEP5:契約書を確認してから決める
最低契約期間、解約の条件、アカウントの名義などを契約書で確かめます。確認したい項目はEC運営代行の契約前チェックリストにまとめています。
EC参謀の見立て
私たちの現場では、依頼書を用意している店舗のほうが、契約後の「思っていたのと違う」が少ない傾向があります。依頼書の出来ばえよりも、社内で「何を頼み、何を残すか」を一度話し合ったかどうかが効いていると感じています。完璧な書類を目指すより、テンプレートの半分が埋まった時点で送ってみるくらいで十分です。
EC運営代行に頼まない選択肢も依頼書で見えてくる
EC運営代行の依頼書を書いてみると、フル代行が必要かどうかも見えてきます。⑤の「任せたい業務」が1〜2個に絞られた場合は、運営全体を任せるより、その作業だけを外に出すほうが費用も手間も抑えやすいことがあります。
内製で続ける
作業の手順書を作り、社内のスタッフで回す形。ノウハウが社内に残りやすい一方、教える時間がかかります。
AIやツールで減らす
商品説明の下書きや問い合わせの返信文、レポートの集計などは、生成AIや受注管理ツールで手間を減らせる場合があります。
部分的に外注する
撮影、バナー制作、広告運用など、時間を取られている作業だけを外に出し、判断は自社に残す形です。
依頼書は代行会社に送るためだけでなく、自店に合う形を選ぶための整理メモとしても使えます。運営代行の全体像や比べ方はEC運営代行のカテゴリページにまとめているので、あわせて確認してみてください。
よくある質問
Q. 依頼書は何社に送るのがよいですか?
A. 3社前後が目安です。1社だけだと比べる相手がなく、5社を超えると回答を読み比べる時間が足りなくなりやすいためです。同じ依頼書を同じ日に送ると、回答の差がそのまま比較材料になります。
Q. 売上などの数字を代行会社に伝えるのは不安です。
A. 最初は「月商○○万〜○○万円」のように幅で伝え、詳しい数字は秘密保持契約(NDA)を結んでから出す、という2段階にするのが一般的な進め方です。お客様の個人情報は依頼書の段階では渡さないようにしてください。
Q. 依頼書を書いてみたら、頼みたいことがはっきりしませんでした。
A. その状態に気づけたこと自体が、依頼書を書く意味の1つです。頼みたい範囲が決まらないときは、作業の棚卸しを先に行い、時間を取られている作業だけを部分外注する、AIやツールで減らす、といった選択肢と比べてから代行を検討しても遅くありません。