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米アマゾン、自社ECサイトでもプライム配送を表示可能に|マルチチャネル利用店への新機能とEC運営者にとっての意味

公開:2026.09.28 / EC参謀編集部
米アマゾン、自社ECサイトでもプライム配送を表示可能に|マルチチャネル利用店への新機能とEC運営者にとっての意味

アマゾンの物流を、自社のECサイトの「売り」にも使えるようにする動きです。Amazon.com, Inc.(以下、Amazon)は2026年9月24日(米国時間)、マルチチャネルフルフィルメント(MCF)を使う米国の事業者が、自社のECサイトにプライムのバッジと無料のプライム配送を、MCFの通常料金以外の追加費用なしで表示できるようにしたと発表しました。対象は米国で販売する事業者で、日本での提供は発表されていません(2026年9月28日時点)。

⏱ 忙しい人向け 3行まとめ

  • 事実:米国でMCFを使う事業者は、自社のECサイトでプライム会員向けの無料配送を選べるようにできます。費用はMCFの通常の手数料だけで、別に出荷手数料を15%から25%抑えるプログラムも始まりました。
  • 意味:モールの外でも、アマゾンの配送の速さと知名度を購入の後押しに使う流れが広がっているとみられます。一方で、今回の発表は米国向けで、日本の店舗がすぐ使えるものではありません。
  • アクション:日本の店舗は、FBAの在庫を自社サイトの注文にも回せるマルチチャネルサービスの料金と使い方を確認し、自社サイトの配送の速さを見直すきっかけにするのが現実的です。

発表の事実

発表の要点は、米国でMCFを使う事業者が、自社のECサイトに「プライム配送」を配送方法の一つとして追加できるようになったことです(Amazonの発表・2026年9月24日)。MCFは、アマゾンの倉庫に預けた在庫を、Amazon以外の販路の注文にも出荷できる物流サービスで、今回の発表は物流部門のAmazon Supply Chain Services(ASCS)から出されています。

項目発表の内容(2026年9月24日時点)
対象米国で販売する、MCFの新規・既存の利用事業者
できること自社サイトの商品ページにプライムのバッジを表示し、配送方法の一つとして無料のプライム配送を選べるようにする
費用MCFの通常の手数料以外に追加費用なし
注文の流れ購入者がプライム配送を選ぶと、Amazonがプライム会員かどうかを確認し、事業者がアマゾンの物流網に預けた在庫から出荷。注文確認と配送状況の連絡は事業者から届く
変えなくてよいもの決済の仕組み、受注管理、店舗の規約。返品やカスタマー対応は事業者の今のやり方を続けられる
導入方法Shopify向けのアプリから利用開始。Amazonの Selling Partner API でも連携でき、Fulfil、LingXing、WebBee との連携も近く始まる予定
初期の利用状況早く導入した事業者では、対象の注文のうち平均で40%超がプライム配送で出荷されたとしている

あわせて、FBAの事業者を対象に、MCFの出荷手数料を割り引く「MCF Preferred Pricing Program」も始まりました。MCFの手数料の割引と、出荷1点ごとのFBAクレジットを組み合わせ、最初の6か月間は出荷手数料を15%〜25%抑えられるとしています。長期の契約は不要で、セラーセントラルから申し込めます。自社サイトのほか、他のマーケットプレイスやSNS経由の注文も対象です。

「Buy with Prime」とは別の選択肢

Amazonは以前から、自社サイトでプライムの特典を使える「Buy with Prime」を提供しています。こちらは購入後のカスタマー対応や返品までAmazonが担う仕組みです。今回のプライム配送は、配送だけをAmazonに任せ、返品や問い合わせは事業者が今のまま対応する形として位置づけられています。

EC運営者にとっての意味

日本のEC運営者にとっての意味は、「すぐ使える新機能」ではなく「自社サイトでも配送の速さが選ばれる理由になる」という流れを示す発表だと考えています。ここからはEC参謀としての解釈です。

①日本の店舗がすぐ使えるものではない。今回のプライム配送は米国で販売する事業者が対象です。日本で同じ機能を提供するという発表は、2026年9月28日時点では確認できていません。日本で導入されるかどうか、いつになるかは分からないため、今の段階で計画に組み込むのは早いとみられます。

②モールと自社サイトの在庫を一つにまとめる動きは続く。日本にも、FBAに預けた在庫をAmazon以外の注文に使える「FBAマルチチャネルサービス」があります。発表でも、MCFは11か国で使われているとされています。Amazonと自社サイトの両方で売っている店舗では、在庫を一か所にまとめて欠品や二重管理を減らす考え方が、今後も広がりやすいと考えています。

③自社サイトの「届く速さ」の見せ方が問われる。米国でプライムのバッジを出す狙いは、初めて買う人の不安を減らすことにあると説明されています。日本の自社サイトでも、発送日や到着の目安が分かりにくいと購入をためらう人はいるとみられます。自社の配送条件を商品ページとカートで分かりやすく見せることは、今回の機能がなくても今日から取り組める改善です。

今やるべきこと

今やるべきことは、日本で使える仕組みの確認と、自社サイトの配送表示の見直しの3つです(2026年9月28日時点)。

EC参謀の見立て

今回の発表は米国の話ですが、モールの物流を自社サイトにも使う流れは、日本の店舗にとっても無関係ではないと考えています。まずは今ある仕組みで、自社サイトの在庫と配送の速さをどこまで整えられるかを確認しておくと、日本で同じような機能が出たときにも判断しやすくなります。FBAの基本はAmazon FBA納品の手順で整理しています。

出典

※サービスの内容や提供地域は変更される場合があります。最新はAmazonの公式発表とセラーセントラルでご確認ください。