ネットショップのキャリア決済|導入の手順・手数料と向いている商材

キャリア決済とは、お客様が商品代金を毎月の携帯電話料金とまとめて支払える決済方法のことです。ドコモの「d払い」(電話料金合算払い)、auの「au PAY(auかんたん決済)」、ソフトバンクの「ソフトバンクまとめて支払い」が代表的で、クレジットカードを持っていない人や、カード番号を入力したくない人の受け皿になります。一方で、手数料はクレジットカードより高めの例が多く、お客様ごとに月の利用上限もあります。この記事では、2026年10月時点の公式情報をもとに、導入の方法、カート別の手数料の例、向いている商材と注意点を整理します。
⏱ 忙しい人向け 3行まとめ
- キャリア決済は、お客様が代金を携帯電話料金とまとめて払える決済です。ネットショップでは、カートのオプションか決済代行会社を通して入れるのが一般的です。
- 手数料はカートによって違い、たとえばSTORESではフリープランで6.5%、スタンダードプランで4.6%です。クレジットカードより高めの例が多いため、どのお客様に使ってほしいかを決めてから入れると判断しやすくなります。
- お客様1人あたりの月の上限は、20歳以上でも10万円までが目安で、20歳未満はさらに低くなります。若い世代やスマホで買う人が多い、単価が数千円から数万円の商材で検討されやすい決済です。
キャリア決済とは|仕組みと主な3つのサービス
キャリア決済は、ネットショップでの購入代金を、お客様が契約している携帯電話会社の毎月の料金と一緒に請求してもらう決済の仕組みです。お客様はカード番号を入力せず、携帯電話会社のIDや暗証番号で認証するだけで支払いを終えられます。
主なサービスは次の3つです。それぞれ、対象になる契約や名称が少しずつ違います(2026年10月時点)。
| サービス | 運営 | 主な対象 |
|---|---|---|
| d払い(電話料金合算払い) | NTTドコモ | spモード契約者、ahamo・irumo・ドコモ miniのインターネット接続サービスの利用者 |
| au PAY(auかんたん決済) | KDDI | au・povoなどの契約者(電話料金と合算する方式の名称は「通信料金合算支払い」) |
| ソフトバンクまとめて支払い | ソフトバンク | ソフトバンク・ワイモバイル・LINEMOの契約者(ワイモバイルは「ワイモバイルまとめて支払い」) |
ドコモの公式の案内では、d払いは衣服や食品などのネット通販でも使えると説明されており、ソフトバンクも利用例にネットショッピングを挙げています。物販のネットショップでも使える決済と考えてよさそうです。ただし、キャリアごとの取り扱いの条件は変わることがあるため、最新は各社の公式の案内で確認してください。
キャリア決済の導入方法|カートのオプションか決済代行会社を通す
ネットショップがキャリア決済を入れる方法は、カートが用意しているオプションを申し込むか、決済代行会社と契約してカートとつなぐかのどちらかが一般的です。携帯電話会社と1社ずつ直接契約するより、3キャリアをまとめて導入できる形が多くなっています。
ドコモの加盟店向けページでは、ネットでのd払いは決済代行会社のプラットフォームを使って導入できると案内され、導入パートナーとして決済代行会社10社が載っています(2026年10月時点)。auは、KDDIに直接申し込む方法と、決済代行会社を通す方法の両方が案内されています。
STEP1:使っているカートの対応を確かめる
カートの決済の一覧や料金ページで、キャリア決済が標準の決済に含まれているか、オプションか、外部の決済代行会社が必要かを確認します。
STEP2:申し込みと審査
カートのオプションや決済代行会社に申し込みます。多くの場合、決済代行会社と携帯電話会社の両方の審査があり、結果によっては使えないこともあります。
STEP3:決済画面の設定と表示
審査が通ったら、カートの管理画面で決済方法を有効にし、決済方法の説明ページや特定商取引法に基づく表記に、キャリア決済が使えることと手数料の扱いを書きます。
STEP4:テスト注文と返金の手順の確認
実際に少額で注文して、注文の流れと入金の明細を確かめます。あわせて、取り消しや返金をどの画面でどう処理するかを担当者で共有しておきます。
契約の条件は事前に確認を
カートや決済代行会社によっては、法人だけが契約できる、無料プランでは使えないといった条件があります。たとえばカラーミーショップのキャリア決済は、別途GMOイプシロンとの契約が必要で、個人契約とフリープランでは使えないと案内されています(2026年10月時点)。
キャリア決済の手数料|カート別の公開料金の例
キャリア決済の手数料は、カートや決済代行会社ごとに違い、公開されている例ではおおむね4〜6%台です(2026年10月時点)。クレジットカードの手数料より高めに設定されていることが多いため、導入前にカートの公式料金で確認しておくのが目安です。
| カート | キャリア決済の扱い | 公式に載っている料金(2026年10月時点) |
|---|---|---|
| BASE | 標準の決済方法の一つ | スタンダードプランは決済手数料3.6%+40円とサービス利用料3%。キャリア決済だけの別料率は載っていない |
| STORES | 標準の決済方法の一つ | フリープラン6.5%、スタンダードプラン4.6% |
| futureshop | SBペイメントサービスの「キャリア決済利用オプション」 | ソフトバンク5.0%・ドコモ4.0%・au5.0%、月額1,000円、1件3円(いずれも税抜) |
| カラーミーショップ | GMOイプシロンとの契約 | 月額3,300円〜で3キャリアを導入(手数料率は公式の料金表で確認) |
| Shopify | 外部の決済代行会社のアプリなどでつなぐ | 決済代行会社の料金に加え、Shopifyの外部サービス取引手数料がかかる場合がある |
月のキャリア決済の売上が30万円の場合で概算すると、STORESのスタンダードプランなら手数料は30万円×4.6%で13,800円、フリープランなら30万円×6.5%で19,500円です。同じ売上でも、プランによって月5,700円の差が出る計算になります。数字は手数料率を掛けただけの概算なので、実際の金額は契約の内容で確かめてください。ほかの決済とまとめて比べたいときはEC手数料の早見表も参考になります。
入金のタイミングもカートによって違います。futureshopのキャリア決済利用オプションは末日締め・翌月末払い、STORESは通常翌月末の入金と案内されています(2026年10月時点)。仕入れや広告費の支払いと入金日のずれも、あわせて確認しておくと安心です。
お客様側の利用上限|高額商品では選べない人が出る
キャリア決済には、お客様1人あたりの月の利用上限があり、20歳以上でも月10万円までが目安です(2026年10月時点)。20歳未満はさらに低いため、単価の高い商品ではキャリア決済を選べないお客様が出ることを前提にしておくのが現実的です。
| サービス | 20歳以上 | 20歳未満 |
|---|---|---|
| d払い(電話料金合算払い) | 月最大10万円 | 月最大1万円 |
| au PAY(auかんたん決済) | 月最大10万円 | 18〜19歳は月最大5万円、13〜17歳は月最大1万円、12歳以下は月最大1,500円 |
| ソフトバンクまとめて支払い | 月最大10万円 | 満20歳未満は月最大2万円、満12歳未満は月最大2,000円 |
上限は「最大」の値で、実際の上限はお客様の契約や支払いの状況で個別に決まることがあります。d払いの初期設定は月1万円で、お客様が1,000円単位で設定を変えられると案内されています。上限は、ほかのお店での支払いと合わせた月の合計にかかる点にも注意が必要です。
高額な商品を扱うお店では、キャリア決済で決済できなかったときに、クレジットカードや後払いなどほかの決済を案内する一文を決済方法の説明ページに入れておくと、カゴ落ちを減らしやすくなります。後払いの仕組みはNP後払いの導入方法と手数料で、カゴ落ちの対策全体はカゴ落ちの対策チェックリストで整理しています。
キャリア決済が向いている商材とお店
キャリア決済が向いているのは、若い世代やスマホで買う人が多く、単価が数千円から数万円の商材を扱うお店です。クレジットカードを持っていない、またはネットでカード番号を入れたくないお客様が一定数いるお店ほど、導入の効果を見込みやすい傾向があります。
若い世代が多い商材
アパレル・雑貨・コスメ・キャラクターグッズなど、10代後半から20代のお客様が多い商材です。カードを持っていない人の受け皿になりやすい一方、20歳未満は上限が低い点を踏まえて単価を見ておきます。
スマホからの注文が中心の店
SNS経由でスマホから買われることが多いお店は、カード番号の入力を省けるぶん、決済画面での離脱を減らしやすくなります。
定期購入・月額の商品
d払いやソフトバンクまとめて支払いは、継続的な課金にも対応していると案内されています。ただし、カートや決済代行会社が定期購入でのキャリア決済に対応しているかは、別に確認が必要です。
反対に、単価が10万円を超える商品が中心のお店や、BtoBの取引が多いお店では、上限や請求の仕組みが合わず、使われる場面は限られそうです。導入の前に、今の注文でクレジットカード以外を選んでいる人の割合や、決済画面での離脱の状況を確認しておくと、入れる意味があるかを判断しやすくなります。
導入前に決めておきたい運用と注意点
キャリア決済を入れる前に決めておきたいのは、返品・キャンセル時の返金の手順、手数料をどう吸収するか、決済方法の説明の書き方の3つです。ここが決まっていないと、お客様からの問い合わせが増えたときに対応がぶれやすくなります。
- 返金の手順とタイミング……ドコモの公式ヘルプでは、利用が確定した月と同じ月に取り消し処理が終われば代金は取り消され、翌月以降なら処理が終わった月の翌月の請求額から差し引かれると案内されています。お客様に「返金が翌月以降の請求に反映されることがある」と伝える文面を用意しておくと安心です。
- 問い合わせ先の案内……ドコモの電話料金合算払いでは、購入内容の問い合わせ先は加盟店と案内されています。お店側で答えられるよう、注文番号と決済の照合の方法を決めておきます。
- 手数料の吸収の考え方……決済方法ごとに価格を変えるより、送料無料ラインや価格設定の中で吸収する考え方が多い傾向です。お客様に手数料を負担してもらう場合は、注文前に分かるよう説明ページと特定商取引法の表記に書きます。
- 決済方法の説明ページ……対応するキャリア、利用上限があること、上限を超える場合のほかの決済の案内を書いておきます。
特定商取引法の表記の書き方はECの特定商取引法の表記で、Shopifyでの決済の考え方はShopifyの決済方法と手数料の基本で整理しています。法令の解釈や契約の条件は変わることがあるため、最新は公式・専門家で確認してください。
参考:d払い ご利用限度額(NTTドコモ)/STORES ネットショップの料金/futureshop SBペイメントサービスの料金(いずれも2026年10月21日確認)。このほか、au PAY(auかんたん決済)・ソフトバンクまとめて支払い・カラーミーショップ・BASEの公式ページも確認しています。料金や条件は変わることがあるため、最新は公式でご確認ください。
よくある質問
個人事業主のネットショップでもキャリア決済は導入できますか?
使うカートや決済代行会社によって変わります。たとえばカラーミーショップのキャリア決済は、公式ページで個人契約では利用できないと案内されています(2026年10月時点)。一方、BASEやSTORESのように、カートの標準の決済の一つとしてキャリア決済を選べるサービスもあります。申し込む前に、使うカートと決済代行会社の公式の条件を確認してください。
キャリア決済の手数料はクレジットカードより高いですか?
公開されている料金を見ると、クレジットカードより高めに設定されている例が多い傾向です。たとえばSTORESでは、キャリア決済の手数料はフリープランで6.5%、スタンダードプランで4.6%と案内されています(2026年10月時点)。カートや決済代行会社、商材によって変わるため、自店の条件で見積もりを取り、クレジットカードとの差額を月の売上で試算しておくのが目安です。
キャリア決済で買った商品を返品されたら、どう返金しますか?
基本は、お店がカートや決済代行会社の管理画面で取り消しや返金の処理をする流れです。ドコモの公式ヘルプでは、利用が確定した月と同じ月に処理が終われば取り消し、翌月以降になると処理が終わった月の翌月の請求額から差し引かれると案内されています(2026年10月時点)。キャリアごとに扱いが違うため、返品の案内文にはお客様への返金のタイミングが前後することを書いておくと安心です。