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EC運営代行への引き継ぎ準備|権限付与(RMS・セラーセントラル・Shopify)と共有資料

公開:2026.10.13 / EC参謀編集部
EC運営代行への引き継ぎ準備|権限付与(RMS・セラーセントラル・Shopify)と共有資料

EC運営代行への引き継ぎ準備とは、代行会社が作業を始める前に、店舗の管理画面の権限を渡し、売上の数字や運営のルールなどの資料をそろえておく作業です。契約を結んだあとの最初の数週間は、代行側が「店のことを知る」ための時間になりやすく、ここで渡すものが少ないと、立ち上がりが遅れたり、意図しない変更が起きたりしがちです。この記事では、楽天市場・Amazon・Shopifyの権限の渡し方の考え方、共有しておきたい資料、引き継ぎを進める順番を整理します。

⏱ 忙しい人向け 3行まとめ

  • EC運営代行への引き継ぎでは、管理画面の権限、数字の資料、運営のルールの3つを先にそろえておくと、代行の立ち上がりが早くなりやすいです。
  • 権限は、管理者のIDとパスワードを渡すのではなく、楽天のR-Login、Amazonのユーザー権限、Shopifyのコラボレーターアカウントなどで、担当者ごとに必要な範囲だけ渡すのが現実的です。
  • 引き継ぎは、権限と資料の一覧づくり、権限の付与、資料の共有、最初の打ち合わせの順に進め、外すときの手順もこの段階で決めておくと安心です。

EC運営代行への引き継ぎ準備とは

EC運営代行への引き継ぎ準備とは、契約から作業開始までの間に、店舗側が「権限」「資料」「ルール」を代行会社に渡すための準備のことです。どこまで任せるかは契約で決まりますが、実際に作業ができるかどうかは、この準備で決まることが多いと感じています。

引き継ぎで渡すものは、大きく3つに分けると整理しやすくなります。

① 管理画面の権限

モールやカートの管理画面、受注管理、広告、アクセス解析など、作業に必要なツールに入るための権限。

② 数字の資料

月別の売上、商品別の売上、広告の実績、過去のセールの結果など、今の店の状態が分かる数字。

③ 運営のルール

値引きの上限、触ってほしくない商品、返品や問い合わせの対応、表現の決まりなど、店として決めていること。

EC運営代行の全体像はEC運営代行のカテゴリで、依頼範囲ごとの費用の目安はEC運営代行の費用相場でまとめています。

EC運営代行に渡す権限の考え方

EC運営代行に渡す権限は、「担当者ごとに分けて、必要な範囲だけ、外せる形で」渡すのが基本の考え方です。管理者のIDとパスワードをそのまま共有すると、誰がどの操作をしたかが分からなくなり、契約が終わったときにもパスワードの変更が必要になります。

避けたい渡し方

  • 店長の管理者IDとパスワードをメールやチャットで送る
  • 代行側の複数の担当者で1つのアカウントを使い回す
  • 「とりあえず全部」の権限を付ける
  • いつ、誰に渡したかを記録していない

現実的な渡し方

  • 各サービスの「担当者を追加する仕組み」を使う
  • 代行側の担当者ごとにアカウントを分ける
  • 任せる作業に合わせて権限を絞る
  • 渡した日・相手・権限を一覧で残す

権限をどこまで渡すかは、契約で決めた業務の範囲に合わせるのが目安です。たとえば「商品ページの更新と広告の運用」を任せる場合、受注や入金の情報まで見られる必要はないかもしれません。反対に、受注処理を任せるなら、お客様の情報を扱う権限が必要になります。その場合は、お客様の情報の扱いを契約で決めておくことも大切です(契約前チェックリストで整理しています)。

EC運営代行への権限の渡し方(楽天RMS・セラーセントラル・Shopify)

楽天市場・Amazon・Shopifyには、それぞれ担当者ごとにアカウントを分けて権限を渡す仕組みがあります。2026年10月時点で公式ヘルプから確認できた内容を、渡すときに見ておきたい点と合わせてまとめます。

サービス使う仕組み渡すときに見ておきたい点
楽天市場(RMS)R-Loginで、利用者ごとに使えるサービスを設定し、管理者が承認する代行側の担当者ごとに利用者を分け、使えるサービスを任せる範囲に絞っているか
Amazon(セラーセントラル)ユーザー権限の機能で担当者を招待し、権限を設定する招待する相手と付ける権限が、任せる作業に合っているか(画面の名称や手順は公式ヘルプで確認)
Shopify外部のパートナー向けのコラボレーターアカウント。店側が伝えるリクエストコードを使って相手が申請し、役割で権限を決める必要な権限だけを付けた役割になっているか、申請の内容が想定どおりか

Shopifyのコラボレーターアカウントについては、Shopifyのヘルプセンターに次のような点が書かれています(2026年10月時点)。

  • ストアのユーザー数の上限には含まれない……外部のパートナーを加えても、スタッフの枠を使わない。
  • 4桁のリクエストコードで申請してもらう……コードはいつでも作り直せ、古いコードは使えなくなる。
  • 相手側の2段階認証が必要……有効になっていないとストアにログインできない。
  • 90日間ログインがないと期限切れになる……ユーザーの画面から再び有効にできる。
  • 削除は取り消せない……もう一度入ってもらうには、相手からの再申請が必要。ストアの所有権はコラボレーターに移せない。

楽天のR-LoginやAmazonのセラーセントラルは、ログインしてからの画面で細かな設定を行うため、項目の名称や手順は変わることがあります。実際の設定は各サービスの公式ヘルプと管理画面で確認してください。あわせて、受注管理や在庫連携のツール、広告アカウント、アクセス解析、メール配信などにも、それぞれ担当者を追加する機能があることが多いので、同じ考え方で渡していきます。

EC運営代行と共有しておきたい資料

EC運営代行に最初に共有しておきたいのは、直近12か月の数字と、店として決めているルールです。資料がすべてそろっていなくても、次の一覧のうち手元にあるものから渡すだけで、代行側の確認や質問は減りやすくなります。

  • 月別の売上・注文数・客単価(直近12か月前後)……季節による波と、今の水準を知ってもらうため。
  • 商品別の売上と粗利の目安……どの商品に力を入れるか、値引きできる幅を判断してもらうため。
  • 広告の実績と予算……どの広告にいくら使い、どのくらいの売上につながっていたか。
  • 過去のセールの結果と来年の予定……楽天スーパーSALEやプライムデーなど、大きな販促で何をしたか。
  • 運営のルール……値引きの上限、触ってほしくない商品やページ、使ってはいけない表現、ブランドの決まり。
  • 問い合わせ・返品の対応ルール……よくある質問への答え方、返品を受ける条件、判断に迷ったときの相談先。
  • 外部サービスとツールの一覧……カート、受注管理、在庫連携、メール配信、レビュー、物流など、使っているものと契約者。
  • 素材の置き場所……商品画像、ロゴ、バナーの元データ、商品の説明資料がどこにあるか。

資料を渡すときは、メールの添付が増えすぎないよう、共有フォルダを1つ作ってまとめるのが目安です。お客様の情報が入ったファイル(注文や会員のCSVなど)は、本当に必要なものだけにし、共有の範囲と保存期間を決めておくと安心です。

💡 「決めていないこと」も伝える

ルールがまだ決まっていない部分は、「決めていない」と伝えておくのが現実的です。たとえば値引きの上限が決まっていない場合、代行側が独自の判断で値引きを進めてしまうことがあります。決まっていないことは、決まるまで相談してほしいと書いておくだけでも、行き違いは減りやすくなります。

EC運営代行への引き継ぎの進め方

EC運営代行への引き継ぎは、一覧づくり→権限の付与→資料の共有→最初の打ち合わせ、の順に進めると抜けが出にくくなります。目安として2〜4週間前後を見ておくと、無理なく進めやすいです。

  1. 権限と資料の一覧を作る(店側)……使っているサービスと、代行に渡す権限、共有する資料を1枚の表にする。誰が契約者で、誰が管理者かも書いておく。
  2. 代行側と一覧をすり合わせる……契約で決めた業務に対して、足りない権限や資料がないかを代行側に確認してもらう。必要以上の権限が入っていないかも一緒に見る。
  3. 権限を付与し、ログインを確認する……担当者ごとにアカウントを作り、実際にログインできるか、見えてほしくない画面が見えていないかを確かめる。
  4. 資料を共有フォルダで渡す……数字、ルール、素材をフォルダにまとめ、どこに何があるかの説明を1枚つける。
  5. 最初の打ち合わせで確認する……資料をもとに、最初の1か月で何をするか、何の数字を見るか、連絡の手段と頻度を決める。

楽天スーパーSALEや年末商戦などの大きな販促の直前は、店側も代行側も手が回りにくい時期です。大きな販促の1〜2か月前までに引き継ぎを終えるか、販促が終わってから始めるほうが落ち着いて進めやすいと考えています。セールの時期はEC販促カレンダーで確認できます。

EC運営代行に渡した権限の外し方

権限を渡すときに、契約が終わったときの外し方も一緒に決めておくのが安心です。権限は渡すときより外すときのほうが忘れられやすく、契約が終わったあとも外部の人のアカウントが残っていることがあります。

  • 渡した権限の一覧を店側で持つ……サービス名、相手の担当者、権限、付与した日を記録しておく。
  • 担当者が替わったら連絡してもらう……代行側の担当の交代や退職があれば、その人のアカウントを止める。
  • 定期的に棚卸しをする……3か月や半年ごとなど、時期を決めてアカウントと権限を見直す。
  • 契約が終わったら外す……解約の手順の中に「権限の削除」と「データ・素材の受け取り」を入れておく。

代行会社が作った画像やページ、広告アカウントの名義をどうするかは、引き継ぎより前の契約の段階で決めておく内容です。広告アカウントやツールの契約が代行側の名義になっていると、解約のときに引き戻しにくくなることがあるため、アカウントは店の名義で持ち、代行側には権限を渡す形が扱いやすいと考えています。

EC運営代行に頼む前に見直したい選択肢

EC運営代行にすべてを任せるのではなく、内製・AI・部分外注を組み合わせる方法もあります。引き継ぎの準備をしてみると任せたい作業の中身がはっきりするため、この段階で見直す店も少なくありません。

  • 内製で続ける……作業の一覧を作った結果、社内で回せる量だと分かることもあります。
  • AIやツールで減らす……商品説明の下書きや問い合わせの一次対応など、AIで手間を減らせる作業もあります。
  • 部分外注にする……撮影や商品登録、広告の運用など、特定の作業だけを任せる方法です。

どの方法でも、権限・資料・ルールを書き出しておくことは役に立ちます。引き継ぎの準備は、代行を頼むかどうかにかかわらず、店の運営を見直すきっかけにもなります。

参考:コラボレーターアカウント(Shopifyヘルプセンター)/R-Login ヘルプ「管理者が利用者の承認する・権限設定する」(楽天)(いずれも2026年10月13日確認)。各サービスの仕様は変わることがあるため、最新は公式でご確認ください。

よくある質問

EC運営代行に管理者のIDとパスワードを渡してもよいですか?

おすすめしにくい方法です。楽天のR-Login、Amazonのセラーセントラルのユーザー権限、Shopifyのコラボレーターアカウントなど、担当者ごとにアカウントを分けて権限を渡す仕組みがあります。誰が何をしたかが分かり、契約が終わったときに外しやすいので、こうした仕組みを使うのが現実的です。

引き継ぎにはどのくらいの期間を見ておけばよいですか?

店の規模や任せる範囲で変わりますが、権限の付与と資料の共有、最初の打ち合わせまでで2〜4週間前後を見ておくと進めやすいのが目安です。セールの直前に引き継ぐと確認が追いつかないことがあるため、大きな販促の時期を避けて始める店が多いと感じています。

引き継ぎ資料がほとんどない場合はどうすればよいですか?

最初から完璧にそろえる必要はありません。まずは管理画面の一覧、直近12か月の月別売上、触ってほしくない商品やページ、返品や問い合わせの対応ルールの4つを書き出すだけでも、代行側の確認はかなり減ります。残りは最初の1か月の打ち合わせの中で、一緒に埋めていく形が現実的です。