米国宛ての小口発送が変更|日本郵便は事前申告の対象を拡大、佐川「飛脚グローバルポスト便」は米国宛てを一時停止——EC運営者にとっての意味

日本郵便株式会社(以下、日本郵便)は2026年10月14日、米国税関・国境警備局(CBP)が事前申告登録の対象となる郵便物の範囲を広げたことを受け、10月15日から米国宛て郵便物の事前申告の対象を拡大し、引き受けを原則すべての郵便局に広げると発表しました。同じ理由で、佐川急便株式会社(以下、佐川急便)は10月16日、米国宛ての「飛脚グローバルポスト便」の引き受けを当面の間停止すると案内しています。発表の事実と、米国へ小口で発送している店舗が見直したい点を整理します。
⏱ 忙しい人向け 3行まとめ
- 事実として、日本郵便は10月15日から、2,500米ドル以下の物品が入った米国宛ての郵便物について、認定事業者のアプリなどでの事前申告登録と、関税などの事前支払いが必要になると案内しています。100米ドル以下の個人間の贈答品や書類も対象です。
- 佐川急便は、10月15日以降に郵便局へ差し出される米国宛ての飛脚グローバルポスト便の引き受けを当面停止し、代わりに飛脚国際宅配便を案内しています。
- 米国へ発送している店舗は、使っている配送サービスの扱いを確認し、送料・お届け日数・関税の案内を商品ページと注文確認メールで見直すのが目安です。
発表の事実
日本郵便の発表によると、CBPから「2,500米ドル以下の物品を包有する全ての郵便物」についてCBPへの事前申告が必要になるとの通達がありました(書状・グリーティングカード・郵便葉書は除く)。これまで関税の事前支払いの対象外だった100米ドル以下の個人間の贈答品も、事前申告登録が必要になります。
| 内容品の価格 | アプリなどでの事前申告登録 | 課税 |
|---|---|---|
| 100米ドル以下(書類・個人間の贈答品) | 必要 | 免税 |
| 100米ドル以下(上記以外) | 必要 | 課税 |
| 100米ドル超〜2,500米ドル以下 | 必要 | 課税 |
| 2,500米ドル超 | 不要 | 名宛地で課税(輸入者が負担) |
事前申告に使えるのは、CBPが認証した事業者のうち日本郵便が推奨する認定事業者(Zonos、SafePackageの2社)のアプリなどに限られます。最終的な課税・免税の判断は米国税関が行いますが、事前申告をすると課税額が表示されるため、関税などの事前支払いが必要です。免税・課税にかかわらず手数料がかかるとされています。宛名ラベルには「DDP-(13桁の申告番号)」を記載します。
あわせて、これまで指定の郵便局でのみ受け付けていた事前申告が必要な米国宛て郵便物を、10月15日から原則としてすべての郵便局で引き受けます(国際郵便を取り扱わない簡易郵便局を除く)。国際宅配サービスUGX(ゆうグローバルエクスプレス)は引き続き利用できると案内されています。
佐川急便は10月16日、上記のCBPの対象拡大に伴い、2026年10月15日(木)以降に郵便局へ差し出される米国宛ての飛脚グローバルポスト便の引き受けを一時停止すると発表しました。対象は米国向けと米国海外領土向けで、期間は「当面の間」です。米国向けの発送には、新しい規制に対応した飛脚国際宅配便を案内しています。
EC運営者にとっての意味
米国へ少額の商品を郵便で送っている店舗にとっては、価格に関係なく、出荷ごとに事前申告と関税などの支払いの手順が加わる形になるとみられます。これまで手軽に送れていた低価格帯の商品やサンプル、ギフトでも、申告の手間と手数料がかかるため、1件あたりの発送コストと作業時間は増える方向になりそうです。
関税を出荷時に払う形(DDP)になるため、これまで「関税は受け取り時に購入者が負担」と案内していた店舗は、誰がいつ負担するのかの説明を見直す必要が出てきます。商品代金に含めるのか、送料と一緒に別途もらうのかによって、価格表示や注文確認の文面も変わります。
飛脚グローバルポスト便で米国へ送っていた店舗は、別の配送手段への切り替えが必要です。切り替え先によって料金やお届けまでの日数が変わる可能性があるため、年末のギフト需要の前に、注文の受け付け条件を確かめておくと安心です。米国以外の国宛ては、今回の発表の対象ではありません。
今やるべきこと
- 使っている配送サービスの扱いを確認する……郵便・飛脚グローバルポスト便・国際宅配便のどれで米国へ送っているかを洗い出し、10月15日以降の扱いを各社の公式案内で確認します。
- 事前申告の手順と手数料を試算する……認定事業者のアプリでの申告の流れと手数料、関税の事前支払いの方法を確かめ、1件あたりのコストと作業時間を見積もります。
- 関税と送料の案内を直す……商品ページ、送料のページ、注文確認メールで「関税は誰がいつ払うか」「お届けまでの日数」の表記を見直します。
- 年末の注文の受け付け条件を決める……米国宛ての受付締め切りや、一時的に発送を止める場合のお知らせ文を用意しておきます。
越境ECの基本的な流れは越境ECの始め方で整理しています。関税や輸出入の扱いは変わることがあるため、最新は公式や専門家で確認してください。
出典
- 日本郵便株式会社「米国宛て郵便物の引受け対象の拡大〜事前申告登録対象の拡大および全郵便局での取り扱い開始〜」(2026年10月14日)
- 佐川急便株式会社「米国宛て「飛脚グローバルポスト便」一時停止について」(2026年10月16日)
※本記事は2026年10月20日時点の公表情報をもとにしています。最新の情報は公式のお知らせでご確認ください。