EC用語集・指標・計算
損益分岐ROASとは?
- 意味
- 広告費を使っても赤字にならない最低限のROASのことです。これを下回ると、広告経由の販売は赤字になる目安です。
- 計算式
- 損益分岐ROAS(%)= 1 ÷ 広告費を除いた利益率 × 100(=販売価格 ÷(販売価格 − 原価 − 手数料・送料などの変動費)× 100)
- 例
- 販売価格1万円、原価5,000円、手数料・送料など3,000円なら、広告費を除いた利益は2,000円(利益率20%)です。1÷0.2×100で、損益分岐ROASは500%です。
損益分岐ROASとは
損益分岐ROASは、広告から得た売上で、原価や手数料と広告費をちょうど賄える、利益ゼロのラインとなるROASです。楽天の広告ナレッジでも、広告費に対する売上が原価と広告費を合わせた総コストと同額になり、利益がゼロになるラインとして説明されています。
ROASは「売上の効率」を示す指標なので、数字だけでは黒字か赤字かは分かりません。商品ごとの損益分岐ROASを先に計算しておくと、「このROASなら続けてよいか」を判断する基準になります。
損益分岐ROASの計算のしかた
まず、販売価格から原価と、広告以外にかかる変動費(モールの販売手数料、決済手数料、送料、梱包資材費、ポイント・クーポン負担など)を差し引き、「広告費を使う前の利益率」を出します。損益分岐ROASは、その利益率の逆数です。
楽天の広告ナレッジでは「販売単価÷(販売単価−原価)×100」という式で、販売単価1万円・原価8,000円なら損益分岐ROASは500%という例が示されています。EC運営では、原価だけでなく手数料や送料も差し引いて計算したほうが、実態に近い数字になります。
EC運営での損益分岐ROASの使いどころ
- 楽天RPP広告:商品ごとに損益分岐ROASを出し、実績ROASがそれを下回る商品・キーワードの入札を見直す
- Amazonスポンサー広告:損益分岐ACoS(=広告費を除いた利益率)に換算して、キーワードごとの採算を判断する
- Google広告(自社EC・Shopify):目標広告費用対効果(目標ROAS)を、損益分岐ROASより高い値で設定する
- セール・クーポン期:値引きで利益率が下がると損益分岐ROASは上がるため、セール中は基準を引き上げて判断する
損益分岐ROASの注意点・よくある誤解
- 原価だけで計算すると、手数料や送料の分だけ基準が甘くなり、損益分岐ROASを超えていても実際は赤字の場合があります。
- 割引やポイント倍率アップを行うと、利益率が下がり、損益分岐ROASは高くなります。
- 損益分岐ROASちょうどでは利益はゼロです。目標ROASは、確保したい利益を上乗せして決める必要があります。
- リピート購入が多い商品では、初回の広告で損益分岐を下回っても、LTVで回収できる場合があります。ただし、その判断には実際のリピート実績が必要です。
損益分岐ROASと損益分岐ACoS・限界CPAの違い
損益分岐ACoSは損益分岐ROASの逆数で、広告費を除いた利益率そのものです。Amazon Adsの解説でも、利益を維持するにはACOSが利益率より低くなければならないとされています。限界CPAは、同じ考え方を「1件あたりに使える広告費の上限(円)」で表したものです。売上効率で見るならROAS・ACoS、件数で見るならCPAと、使う指標に合わせて換算しましょう。
損益分岐ROASのよくある質問
ROASは何%以上なら黒字ですか?
商品ごとの利益率によって変わります。広告費を除いた利益率が25%なら損益分岐ROASは400%、20%なら500%、10%なら1,000%です。利益率が低い商品ほど、高いROASが必要になります。
損益分岐ROASはどこまでの費用を含めて計算すればよいですか?
原価に加えて、販売手数料・決済手数料・送料・梱包資材費・ポイントやクーポンの負担など、注文ごとに発生する変動費を含めるのがおすすめです。家賃や固定の人件費などの固定費は、通常は含めずに別で管理します。
損益分岐ROASについて詳しく読む
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出典
2026年10月21日に確認した内容です。制度や機能は変わることがあるため、最新は公式の情報をご確認ください。